SEGA

ソニックチャンネル

連載サウンドコラム

ソニックチームのサウンドディレクター瀬上 純と大谷 智哉によるコラムコーナー。

Game Symphony Japan 17th Concert ピアノ弾いたよー!

みなさんこんにちは、「ソニック」シリーズ サウンドディレクターの大谷です。

7/17(日)東京芸術劇場コンサートホールで開催されました。
セガのゲームタイトル楽曲オンリーのオーケストラコンサート「Game Symphony Japan 17th Concert SEGA Special 2016 」無事終了しました!

ご来場頂いた皆様、会場には来られなかったけど応援メッセージを送ってくれていた皆様、本当にありがとうございました!指揮・志村健一さん、東京室内管弦楽団の皆様、東京混声合唱団の皆様、主催のアイムビレッジの皆様、本当にありがとうございました!お疲れ様でした!!

「ソニックファン一同より」として届けて頂いたスタンドフラワーも素敵でした。隙をみて写真を撮りに行きました。

セガという1つの会社から生まれたゲーム音楽が、カッコよくて、楽しくて、笑えて、泣けて、可愛いくて(※セハガさん)全て詰まっていた気がします。作り手の想いも込めてみなさんと共有出来たのではないでしょうか。ソニックの生みの親である 中裕司さん(元セガ・現株式会社プロぺ社長)がかつて構想していた “ソニックチームのオーケストラコンサート”になっていると仰っていたのが印象的で 、終始楽しそうにしていらっしゃったのがちょっとうれしかったです。

作り手としても学べることがたくさんあり 、今後の仕事に良い影響を与えてくれるであろう、かけがえのない経験をさせて頂きました。レコーディングの時のディレクションも同じですが、指示の出し方ひとつで、演奏者の良いパフォーマンスを引き出せるかどうかが決まります。志村さんのアグレッシブな指揮や伝え方を見て勉強させて頂きました。

終演後、楽屋挨拶に来た後輩社員の感想が、「いい会社だな〜と思いました。」でした。気持ちはわかります (笑)。

コンサート全体のレポートは各媒体さんにあがっている濃いレポートを読んで頂くとして、僕の担当セクションの話をしたいと思います。

オーケストラテーマ

今回、ソニック枠の曲目に加わった2006年『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』以降の楽曲はいかがでしたでしょうか?

この時代以降のメインストリームタイトルは、ハードの性能が向上し、表現がリッチになったことで、音楽にもこれまで以上のスケールを求められるようになり、大編成のストリングスセクションやフルオーケストラのサウンドを取り入れたテーマ曲を作るようになりました。一概に、ストリングスやオーケストラを取り入れたと言っても、作品ごとに編成や作編曲のアプローチは異なります。

・His World (『 ソニック・ザ・ヘッジホッグ 2006)』より)
ディレクターからのリクエストにあった大作感、重厚感、スピード感、シリアスさ、ドラマチックさ、カッコよさ等々のキーワードを表現することを考えた結果、ストリングス × バンドサウンドで表現出来るのではないかと考えました。「ソニック」シリーズのテーマ曲の中でも、実は “雰囲気もの”な側面もある曲だと思っています。今回のコンサート用に鹿野草平さんに起こして頂いたアレンジから、その“雰囲気”を感じて頂けたらうれしいです。

・The World Adventure (『ソニック ワールドアドベンチャー』より)
コンサートの演奏では原曲の再現度に驚かれたかもしれませんが、それもそのはず、この曲はオーケストラで演奏する為に作られたシリーズ初のオーケストラテーマ曲なのです。中間部の静かな構成はたっぷりと歌い上げて欲しいとお願いしました。楽器の演奏でも、“歌う”という指示はよく使われます。

・Theme of Sonic Colors (『ソニックカラーズ』より)
この曲も同じく、オーケストラで演奏する為に作られた「Reach For The Stars」のオーケストラアレンジです。ゲームやサウンドトラックで何度も聴いた楽曲を生演奏で聴くことができる感動がありました。

・Wonder World (『ソニック ロストワールド』より)
この曲もオーケストラの演奏用に作られた曲ではありますが、純粋な “オケもの”というよりは、リズムにシンセ、スティールパンなど取り入れられた、創作音楽的な側面があります。コンサートではスティールパンの音量が元曲よりも大きめのバランスで聴こえていたため、ワクワク感が増していたと思います。

ピアノ

今年はソニック25周年、節目の年なので、何か普段やらないことに挑戦したいと思い、ピアノ演奏での参加を提案させてもらいました。前回のコラムでも書きましたが、実は昨年末あたりにピアノを弾きたくなり習い始めていたのです。ゼロからというよりは、約30数年ぶりに再開したという方が正しいかもしれません。

4月の終わりくらいだったでしょうか、演目もほぼ決まり 「Wonder World」のピアノ演奏で参加させて頂くことが決まりました。 元曲の共同編曲者である江口貴勅さんとピアノパートの確認をし、演奏する譜面を固めました。

基本的には自宅のキーボード(ピアノ鍵盤)で練習していたのですが、やはり鍵盤のタッチに関しては本物とは違います。本番で使用するピアノはスタインウェイなので、本番までにどうにかスタインウェイのピアノを弾いておけないだろうか......

「ソニック」シリーズのレコーディングでもよく使わせてもらっている音響ハウススタジオさんにはスタインウェイがある......!

ということで早速、音響ハウススタジオ チーフエンジニアである櫻井繁郎さんに連絡をとり、事情を説明しご相談させて頂いたところ、空いている時間に2回も練習で使用させて頂けることになりました!これは本当にありがたかった。ご覧の通り、とてもぜいたくな環境での練習です。

リハーサル動画もアップしていました。

音響ハウスさん、櫻井さん、本当にありがとうございました。

その後、オーケストラとのリハーサルを経て、あっという間の本番です。

本番は不思議と緊張せずに楽しんで弾けました。椅子に座って弾き始めると自分の世界が広がります。リズムの取りづらいAメロのピアノも安定していたと思いますし、大サビあたりではオケ全体とのグルーヴを楽しめました。最後の「ジャン」というキメは「fff」(フォルテッシシモ)で体重乗せて弾いた後、ほんの少し長めにペダルを踏んでピアノの余韻を残しました。

今回はメイクさんを付けてもらえたので、髪をおしゃれにまとめてもらえたり、ジャケット着てフォーマルな装いをしていたこともあってか、自然と背筋も伸び、姿勢良く弾くことが出来ました。(練習の時はいつも猫背で......)東京芸術劇場のスタインウェイは、これまで弾いたことのある数台ともまた違い、鍵盤のタッチも軽やかで明るくクリアな音でした。当日は、リハーサルで1回、オーケストラの休憩中に少し触って、本番で1回しか弾けなかったので、もうちょっと触りたかったなぁ......

僕の本番中、楽屋のモニターで観ていた同じセガゲームスからの出演者の吉永さん(『スペースチャンネル5』)、光吉さん(『デイトナUSA』)らが、オールスタンディングで固唾を飲んで見守ってくれていたそうです。ご心配おかけしました(笑)。

オーケストラとの共演にチャレンジしてみて本当に良かったです。
またいつの日か、ピアニスト大谷に会える日を楽しみにしていてください。
ありがとうございました。

妄想

今後はどんな曲を演れたらいいですかね〜(気が早い)

「ソニック」シリーズのバラード曲もやってみたいです。

「Dear My Friend」ならピアノで参加出来るし、ストリングスも美しいです。もちろんヴォーカルも入れたら泣けること間違いなし。

「Rooftop Run」のストリングスも生で聴いたら疾走感あると思います。

「怪盗Rのテーマ」2010年代の隠れ名曲(自分で言うか)もチェンバロと一緒に演ったらかっこいいと思うんですよね。チラッ

「Je te dis au revoir」同じリズム怪盗Rから、こんな曲もやれたら死んでもいい、いや死ねない。

......勝手に妄想膨らんじゃいました。

そう考えると、以前からピアノ入る曲いろいろ作っていたんですね。
好きなんだと思います、きっと。

ではまた!