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ソニックチャンネル

連載サウンドコラム

ソニックチームのサウンドディレクター瀬上 純と大谷 智哉によるコラムコーナー。

コラボ実施中! / エンポシ!? / PS4買いました。

みなさんこんにちは、「ソニック」シリーズ サウンドディレクターの大谷です。

大谷回、今年最初の更新になります。
2017年もサウンドコラムをよろしくお願いいたします。

ソニックコラボ実施中!

→『ぷよぷよ!!クエスト』ソニックコラボ特設サイト

すでに遊んでくれている方も多いと思いますが、『ぷよぷよ!!クエスト』にてソニックコラボ実施中です!!

ゲーム内のアンケートで『ソニック』とのコラボリクエストが多かったというのは意外ですが(おい)うれしいですね。

期間限定イベントでBGMを変更出来る仕組みが実装されたとのことで、あの曲がスマートフォンに帰ってきました(涙)。『ソニックランナーズ』から「Beyond The Speed Of...」「Power Ride」が流れる、期間限定の収集イベントはあと3日です!その後にも何か計画されているみたいですよ。(ニヤリッ)詳細は2月3日までお待ち下さいとのこと。

Beyond The Speed Of...
SEGA / Tomoya Ohtani

Power Ride
SEGA / Tomoya Ohtani

私も『ソニック ランナーズ』の運営では、季節のイベントに合わせた楽曲を作っていましたが、コンシューマーゲームでは、作曲してから世に出るまで、長いものでは1年半くらいかかるところを、つい、1、2カ月前に作っていた曲がリリースされていくスピード感を楽しみながら制作していました。

今後『ぷよぷよ!!クエスト』で実施されていくイベントでも、専用のBGMが用意されていくのかもしれませんね。このイベントをきっかけに、『ぷよぷよ!!クエスト』ユーザーの皆様が「ソニック沼」『ソニック』シリーズに足を踏み入れてくれますように(祈

エンポシ!?

25周年の振り返りで何か書けないものか、過去作の発売日を調べていたところ、ちょうど8年前の2009年の1月28日に、『ソニック ワールドアドベンチャー』のサントラ「SONIC WORLD ADVENTURE ORIGINAL SOUNDTRACK PLANETARY PIECES」が発売されましたので、軽く振り返ってみたいと思います。

『ソニック ワールドアドベンチャー』と言えば、「Endless Possibility」ですが、ファンの方が“エンポシ”と言っているのを聞いて、その略し方にびっくりしました!

“エンポシ” って(笑)いや、ぜんぜんいいんですよ。

中学生のころにパンク・ロックが好きでコピーバンドをやっていました。パンク系の曲を聴き漁るうちに、どんどんテンポが速いハードコア・パンク系の曲を聴くようになり、その後はメロコア系(メロディック・ハードコア)なども通過していくわけですが、自分の引き出し的には、そのころに受けた影響がベースにあって出来た曲だと思っています。

休日に自宅でギターをつま弾いていた時に、イントロのフレーズが出来て、そこから悩むことなく一気に全体の構成が形になりました。当時、安めのアンプシミュレーターを、自宅での簡易的な録音に使用していたのですが、その機材で、あまり深く考えずに作ったイントロのギターサウンドの印象が強く、本番のレコーディングでも使用しました。通常はギタリストの方の機材でイチから音作りをしていくものですが、どんな機材でもサウンドがカッコよければOK!ということで採用しました。

The World Adventure
Tokyo Philharmonic Orchestra

東京フィルハーモニー交響楽団さんに演奏して頂いたオーケストラテーマ「The World Adventure」も1つのトピックだと思います。

オーケストラ収録を経験するのはこの時が初めてでした。レコーディング当日、期待と不安が入り混じりながらスタジオ入り。スタッフの方々が慌ただしく準備をする中、私はアレンジャーと共にディレクションをする立場ですので、ソワソワしてもしょうがありません。コーヒーでも飲みながら、譜面や曲順の確認をしながら待機しているのですが、いざ準備が整い、いつでも開始出来る段階になった時、収録の手配をしてくれているコーディネーターの方が、

「では大谷さん、(オーケストラの方々に)ご挨拶の方お願いたします。」

大谷「え?」

あいさつするとか聞いてないんですけど(笑)

急に静まり返るレコーディングスタジオ、オーケストラの皆さまを前にしての突然のフリに、普段イベントに登壇する時とも違う緊張が走りましたが、これから演奏してもらう曲は、どういう作品で、どんな場面で使われて、どんな感じに仕上げたいと思っているか、みたいなことをお伝えしたと思います。

でもこれ、ただの説明だけでなく、演奏をして頂く前に、こちらの熱意を伝えるとっても大事なプロセスなのです。プロの奏者の方であれば、譜面通りに弾くことはすぐに出来てしまいますが、可能な限り気持ちを込めて弾いてもらいたいですからね。

それ以降、大編成での収録の際は、頼まれなくても話すようにしていますが、場の空気を和ませようとして言った冗談が全くウケなかったことなどもあり、まだまだ修行が足りない(何の)と感じる日々です。

メガドライブのFM音源から始まった『ソニック』シリーズの音楽が、長い歴史の中で、フルオーケストラを収録するまでになったことが感慨深いですが、数あるゲームタイトル中でも、そのような音楽の歴史を歩んでいるタイトルは一握りですからとても貴重なことだと思います。『ソニック』は様々な音楽ジャンルを取り入れても、自分のものにしてしまう懐の広さがあります。

自分が作る音楽が、8年前から成長出来ているとよいのですが、私の中で、『ソニック ワールドアドベンチャー』のサウンドトラックは、今も一つの指針となっています。

PS4買いました。

さて、早いもので2017年の1月も間もなく終了のお知らせです。お仕事の方はこれからますます忙しくなっていくのですが、気持ちの面で少しだけ余裕が出来たので、お正月休みにPlayStation 4を購入しました!

『人喰いの大鷲トリコ』、『INSIDE』、『Life Is Strange』など、前々から気になっていたゲームを順番に遊んでいます。このラインナップ、自分のゲームの好みが色濃く反映されていると思います。

ゲームサウンドクリエイターとしてはやはり、“サウンドデザイン”の優れたゲームを遊びたいと思っています。“サウンドデザイン”とは、音楽、効果音、台詞などによる音の演出設計のことです。『人喰いの大鷲トリコ』で言えば、過剰に演出しない、限られた音楽の使い方が効果的ですし、屋外、屋内環境音の変化、風の音にも意図を感じます。

『INSIDE』は、主人公の息遣いなども細かく音付けされていて、生きたキャラクターの演出がとても効果的です。制作者のインタビュー記事を読むと、すべての音を人間の頭蓋骨を通して録音されたとのこと。いろいろな音作りのアプローチがありますが、そのような手法は試したことありません(笑)でも意図はなんとなくわかります。つまるところ、音に質感を付けたのだと思いますが、モノトーン調の不気味な世界観の演出に作りに一役買っているのだと思います。 そういった工程に手間ひまをかけていることが素晴らしいです。

優れたサウンドデザインのもと、こだわり抜いて作られたサウンドはゲーム体験の質を高めてくれることは間違いありませんし、『ソニック』シリーズの“サウンドデザイン”も、そうあるべく頑張りたいと思っています。

ではまた!