異世界大喜利 2023年4月【シルバーとエリスは何を......?】
★作例
あぁーっと!不用意に間合いに入った挑戦者を、女王の必殺の左足が待ち受けるーッ!
毎月2人のキャラクターが驚きの装いとシチュエーションで登場! 思わず空想が膨らんでしまうイラストで、一緒に大喜利を楽しみましょう!
今回は煌びやかな衣装に身を包んだ氷上の女王エリスに、未来からやって来た天才スケートコーチのシルバーが登場!
幻想的な雰囲気のソレアナ城下街特設スケートリンク......2人はどんな演技を見せてくれるのでしょう?
作例はずいぶんとバイオレンスなバトル展開でしたが......皆さんだったらどんなセリフやナレーションをあてますか?
2人の普段の雰囲気や世界観で整えるのもよし、大胆に演出するのもよし... 自由に楽しんで、Twitterの#異世界大喜利 のタグと共につぶやいてみてください♪
良かったものについてはソニック公式Twitterアカウントからレスにてご紹介をさせていただきます。
みなさんの楽しい大喜利投稿、お待ちしています!
Act4:「闇の帳(とばり)に」
美しい水路が縦横無尽に広がる、水の都「ソレアナ城下街」。
湾内に架けられた壮麗な白銀の盆......国営水上スケートリンクの片隅で、誰もいない冷たい氷面を見つめて悲し気にため息をつく、1人の女性の姿がありました。
「私なんかじゃ......」
彼女の名は「エリス」。
シングルでは「女王」の呼び声も高い若きスケーターの彼女は今、大きな悩みを抱えていました。
人生の目標にしていたペアスケート大会での課題曲が、彼女に教師としても愛情を注いで育ててくれた、亡き両親との思い出の曲だったのです。この曲を聴くとエリスはかつての幸せな思い出に涙がこみ上げ、演技ができなくなってしまうのでした。
練習もおぼつかなければ、ペアを組む相手も見つからず...... 行き詰ったエリスはいつしか、その悩みを星空に向け吐露していました。
そんな時......
「話は聞かせてもらったぜ! オレが力になってやる」
背後からの声にエリスが振り返ると、そこには元スケート選手で、彼の教えを受けた選手はみな輝かしい記録を残している神出鬼没の名コーチ......スケート選手の間では知らぬ者のない有名人「シルバー・ザ・ヘッジホッグ」の姿がありました。
「大丈夫さ! オレが目いっぱいあんたを支える!」
彼がパートナーとなってくれるのなら、彼女にとってこれ以上の幸運はありません。 でも...... 最大の問題は彼女自身の心の中にあるのです。
エリスがうつむいたままでいると、シルバーは彼女の手を取り、自分のペンダントを渡してこう言ったのでした。
「あんたは一人じゃない。絶対にうまくいく。これはお守りだよ」
その青い宝石は、彼女を励ますかのように強く輝いて見えたのでした。
練習を重ねるにつれて楽曲への不安は少しずつ解消され、いつしか彼女はこの曲を最後までどうにか滑れるようになっていました。
本来エリスにはもう教わる事などないのです。ただ、力強く的確にリードしてくれるシルバーとのペア演技自体が、彼女に自信と勇気を与えたのでした。
そしていよいよ本番前日。本番会場でのリハーサル練習日......
残念ながら、舞台の屋外リンクはあいにくの大雨。これでは練習になりません。肩を落として帰りかけたエリスでしたが......
不意にエリスは、自分の周囲の雨足がパタリと止んだのに気付きます。
彼女が空を見上げると、そこにはエメラルドグリーンの光に身を包んで中空に浮かぶシルバーの姿がありました。空にかざした手の平からは優しい光の膜が広がり、リンクを覆って雨を弾いています。
息をのむエリスに、シルバーは語りかけます。
「実はオレ、超能力者なんだ......」
練習時間がもったいないとエリスを急かし、シルバーは言葉を続けます。
彼が選手からコーチに転向したのは、この力が無意識にでも競技中に出てしまうのを恐れたため。この力は自分のためではなく、こうして他人を助けるために使いたいのだと。
大雨の中、スケートリンクだけが静寂に守られ、その氷面には白霧がたちこめています。
夢のような幻想空間でシルバーの優しさを感じたエリスは、その胸に自らを鼓舞する勇気の炎がともるのを感じたのでした。
......いつしか雨はあがり、シルバーも練習に参加。いよいよリハーサルの総仕上げです。
調子を上げたエリスはパートナーとの息の合った演技を続けるうちに、悲しみの象徴だったこの曲を楽しんでいる自分に気付きました。そしてその気持ちはあの幸せだった両親との練習の記憶と共鳴します。
彼女は両親が好きでしたが、この曲自体も同じくらい大好きだったのです。それを思い出したエリスの目には暖かい涙が溢れましたが、演技は止まることなく、むしろその輝きを増したのでした。
そして最難関、クライマックスのツイン・トリプルアクセル。高い跳躍から鮮やかな回転を見せるかに思われましたが......!
「......!」
一瞬の気の緩みからうまく跳躍し損ねたエリスは、中空で大きくバランスを崩してしまいます。転倒するかに思われたエリスでしたが......それをエメラルドグリーンの光が包み込み支えます。シルバーの超能力です。
「危なかったな!でも、本番でこれをやらせないでくれよ?」
冗談でリラックスさせ、練習を再開しようとしたシルバー。
でもエリスはそれまでの高ぶっていた気持ちが冷え、また臆病風に襲われ始めてしまいます。これが本番で上手くいく保証などあるものでしょうか......? 彼女の様子に気付いたシルバーは、こう請け合ってエリスを元気づけるのでした。
「あんたなら大丈夫。心配無用さ! 今の頑張りは、ぜんぶ未来に繋がっているんだからな!」
雨上がりの星空の下、氷上の2人の間に、熱を帯びた風がゆっくりと吹き抜けていきました。
大会当日......祭事に湧きたつリンクに流星のように現れたそのペアは、美しい演技で観客を魅了します。
そして問題のトリプルアクセル......!
飛び立つ直前によぎった暗い予感に負けそうになったエリスでしたが、その時彼女の目に映ったのは......シルバーの笑顔です。そして信頼と幸福に満ちた練習の時間、そして両親とのかつての楽しい思い出とが、今のエリスをしっかりと支えたのでした。
2人同時に、見事な跳躍と完璧な着地!沸き立つ大歓声!
2人はその日、最も輝いたペアとしてその栄誉を受けたのでした......!
大会が終わり......
「ありがとう」
無人となったリンクの上で、エリスはシルバーにペンダントを返却します。それは過去を乗り越えて成長した彼女には不要となった物です。
微笑むエリスに、逆に礼を返すシルバー。
前に進めたのは彼女だけではありません。シルバーもまた今回の件で彼女の頑張りに大きな刺激を受け、選手への完全復帰を決めたことを明かすのでした。
「でも正直不安なんだ。どんなに頑張っても、いつか力を使っちゃうんじゃないかってさ」
「大丈夫よ! 絶対にうまくいくわ。だって......」
エリスは微笑みをたたえて続けます。
「......頑張りは、ぜんぶ未来に繋がっているんでしょう?」
静かで優しい光が満ちたリンクと降るような星空の間に、2人の笑い声が重なり合って響いていきました。
「一夜明けて......」
まさかフィギュアスケート選手とは、シルバーもエリス王女も随分と様子が変わってしまったが、シルバーは相変らずシルバーだし、エリスも元のお姫様としての気品は残していたようだ。
それにしてもあのペンダントの光、どこかで見たことがあるような......?
異変については、巨大な水上リンクには驚いたが、ソレアナ公国の国や城下町自体はそれほど変化はなく見える。どうやら世界のすべてが変わったわけではなく、部分的に異変が起きている模様。
世界全体で何が起こったのかを把握するには、まだまだ調査が必要なようだ......