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異世界大喜利 2023年7月【オーボット&キューボットとジーメルは何を......?】

★作例

害虫駆除ならお任せください!殺虫三銃士!

毎月2人のキャラクターが驚きの装いとシチュエーションで登場! 思わず空想が膨らんでしまうイラストで、一緒に大喜利を楽しみましょう!

今回はオーボット&キューボットとジーメルがまさかの合体!?男子のロマンを詰め込んだ巨大スーパーロボットとして爆誕!なにやらとんでもない大技を出しているようですが......?

皆さんだったらどんなセリフやナレーションをあてますか?

ゲームでの2人の雰囲気や世界観で整えるのもよし、大胆にアレンジして演出するのもよし! 作例では、虫どころか色々と吹き飛ばしてしまいそうなCM風になっていますが...... そんな自由な大喜利ネタでもモチロンOKです!

ぜひ楽しんで、Twitterの「#異世界大喜利」のタグと共につぶやいてみてください♪

良かったものについてはソニック公式Twitterアカウントからレスにてご紹介をさせていただきます。

みなさんの楽しい大喜利投稿、お待ちしています!

Act7:「鋼心合体 グラン・ボットカイザー」

カジノポリス郊外の、とある港湾基地.......

静寂を引き裂き、爆音と共に飛来した3つの巨大な鋼鉄の機影...... それは虚空の一点で大地を揺るがす衝突音と共に合体すると、まばゆい光の球に包まれます。

そして次の瞬間......!

「「「鋼心合体!グラン・ボットカイザー!」」」

そこには全高400メートルの無敵の鋼鉄巨人が、港と街を背に、覚悟の構えでそびえ立っていたのでした。


「情報通り、超高エネルギー反応を確認!......これまでにない強さです!」

と、緊張の面持ちで報告したのは、鋼鉄巨人の右ボディパーツにして攻撃担当「赤鉄のオーボット」。

「大丈夫。市民の避難は終わってるし、いつも通り片づけよ~」

能天気にそう返したのは、左ボディパーツにして防御担当「黄鉄のキューボット」。

「状況を把握。G(グラン)・ボットカイザー、戦闘モード起動!」

2人の頭上で作戦開始を告げたのは、頭胸部パーツにしてフルコントロール権限を持つ「黒鉄(くろがね)のジーメル」です。

そして3人の準備完了に合わせたかのように、ジーメルのコンソールモニターには海中から徐々にせり上がる巨躯が、アラート音と共に映し出されます。

白銅色の鋼鉄スパイクを搭載した、異形の巨大ロボット......『敵』です。

はた目には事務的に......だが決意を込め、ジーメルは淡々と仲間に告げました。

「兵装フルオープン。戦闘開始」


どこからともなく現れる『敵』が、この港湾基地を襲い始めたのはつい最近のことでした。

お調子者のオーボットとのんびり屋のキューボット、そして多くを語らないクールなジーメル。彼らのGボットカイザーが『敵』を阻むことで、付近の平和は保たれているのです。

そんな折の、これまでにない強大な『敵』の襲撃。Gボットカイザーはリミッターなしの最大装備で『敵』を待ち構えるのでした。

「ねえジーメル。合体して戦う我々に必要なのは、コミュニケーションだと思うんです」
「そうそう。仕事終わりのオイルバーくらい一杯付き合ってよ~」
「......」

『敵』を眼前に雑談する二人に、ジーメルは無言で答えます。

「......まぁ、いつも通り戦闘はジーメルにお任せしますよ」

ゆっくりと接近する『敵』。 マットな白銅色のボディに不気味に光る一つ目。そして背中の鋼鉄スパイクブレードはある動物を彷彿とさせました。『敵』は間合いに入ると、暗い駆動音と共に腰を低く落とし.....

「ボクらと同じくらいデカいね~......トゲトゲだし、メカ・ハリネズミって呼ぶのはど......」

<< ズゴンッ!>>

キューボットの呑気な軽口を寸断して襲い掛かる衝撃! 『敵』の突進攻撃が眼前をかすめ、肩アーマーの一部を弾き飛ばします。

「イタい!何いまの~!?」
「かすっただけで!?あのブレードですか......!」

これまでとは次元の違う強さ。こわばる2人をよそに、旋回した『敵』の恐ろしい追撃がGボットカイザーに迫ります。

「......耐衝撃防御、『キュー・シールド』展開!」
「おっけ~!まっかせて~!」

<< ズドォォォン! >>

構えた盾に接触した瞬間、予想外の大爆発に吹っ飛ばされ、たたらを踏み膝をつく『敵』......!

衝撃に反応し、盾表面が爆発して威力を相殺・反撃する、キューボットの「爆発反応盾」が効を奏しました。カウンターダメージを与え、初手は上々!と言いたいところですが......

「何この爆発!?ジーメルひどい!顔がポップコーンになっちゃうよ~!」

盾に顔が埋め込まれ爆発に思い切り巻き込まれたキューボットは、ボロボロになって猛抗議します。最強の兵装をと試作品を持ち込んだのが裏目に出ましたが、今さらどうにもなりません......

抗議をよそに、まだ起き上がれないでいる『敵』にジーメルは追撃を試みます。

「刺突EMP兵器『オー・ドリル』全開放!」
「了解!キューボットの仇を討ちますよ~!」

<< ギュイィィィ! >>

オーボットが組み込まれた超高硬度ドリルと共に、電子回路を焼き切る螺旋(らせん)の雷撃が『敵』へと放たれます。

<< ギャリギャリギャリ......! >>

ドリルそのものは『敵』の手に阻まれたものの、腕の関節部にはスパークが走り、各所から煙が噴出......!電磁パルス攻撃が確かに効いています。

このまま押し切れる!

.....かと思いきや、徐々にドリルの回転は弱まり、仕舞いには完全停止。そしてドリルの根元にあるオーボットの顔が、息も絶え絶えで猛抗議をしました。

「電磁パルス、こっちにも効くんですけど......あと、目が回る......ジーメルの人でなし!」

ここへきての自傷ダメージと仲間割れ......Gボットカイザーは貴重な攻撃チャンスを失うのでした。

『敵』は反撃に転じ、体を丸めこんで高速回転......! ボール状となったボディの逆立つ刃が鈍い光を放つと、次の瞬間には攻防一体の突撃技で襲いかかります。

残る武装は、ジーメルの胸部砲「ジー・エンド」による必殺技「アルティメット・トリニティ」のみですが、発射ボタンを押しても反応せず......!

やはりかと首をふるジーメル。

というのはこの武装は「3人の心がひとつにならないと撃てない」という、安全装置がかせられているのです。そして彼らはこれまでそれを一度も撃てたことが無かったのでした。

もはや『敵』の攻撃は回避不可能......!オーボットとキューボットで受けようとしたジーメルですが、彼らは深刻なダメージで早くもすでに限界です。

「......緊急手段。胸部装甲での被弾経始を敢行!」

ジーメルは最も装甲の厚い自身の胸部を前に出し、反射角を工夫して打撃をそらそうとしますが......

<< グワシャァァ! >>

その衝撃は殺し切れず、あわや装甲貫通の大ダメージ......!吹き飛ばされてその巨体を大地に沈め、あおむけに倒れた巨体のあちこちでスパークが走ります。

ジーメルのコンソールモニターには、損傷個所を伝える赤いポップアップと......次の攻撃モーションに入る『敵』の姿が映っていました。

「......ワタクシたちを使い捨てて身を守ることもできたはず」
「ボクらを庇うために......」

自分たち以上に損傷しているジーメルを見て、目からオイルを流すオーボットたち。

「......力を合わせなければ!3人で一緒にアイツを倒しましょう!」

目を輝かせる2人。その蜂起する心が伝わったのか、ダウンしかけていたジーメルも目に光を取り戻し、頓挫したGボットカイザーの身を起こそうとします。

と、その瞬間......

周囲を見渡したジーメルの目に、ビルのテナントに入ったアイスクリーム屋の看板が目に入りました。

「クリーム......?」

......クリーム。その単語だけが、なぜか......

それが何の名前なのかもわからないのに、ジーメルはその名を口に出すだけで不思議と力が湧いてくるのを感じました。自分の背後には守るべき何かがある......大切な何かが。

クリームを守る。たとえこの身が果てたとしても。 その不可解ながら確実な思いに駆られ、Gボットカイザーは雄々しく立ち上がります。

一方オーボットたちも、基地の壁面に記されたあるものに目が釘付けになっていました。

タマゴ頭で笑うヒゲ男の顔をあらわした、特徴的なマーク。

......この基地を守り抜く。それは『ボス』からの絶対命令......そのマークは彼らのメモリに、恐ろしい使命を一瞬でよみがえらせます。

守らねば、自分たちに未来はない......!

「クリームのために!」
「よく思い出せないけど、すべてはボスのために!」
「ボスに......怒られないために~!」

守りたいものがある。

バラバラだった想いが一つになるのと同時に、まばゆい光に包まれるGボットカイザー。その光は胸の「ジー・エンド」に集まっていきます。

「この反応は......?ウンともスンとも言わなかったイージス回路が! 」
「すご~い!今ならアレが撃てるかも~」

コンソールモニターに輝く「G」の文字。無言で頷くジーメル...... 3つの心が今ひとつになったのです。

「「「必殺......アルティメット・トリニティ!!」」」

<< カッ! >>

最新テクノロジーが可能にした究極の放電兵器。その驚異のプラズマは、あらゆる物質を瞬く間に灰燼へ帰す光の咆哮(ほうこう)となってほとばしります。

そして『敵』のど真ん中を貫いたそれは、威力と範囲をさらに増すと正面の海を割り、山をもえぐり......やがて天空の月をもかすめ、その輪郭を一部変えたのでした。

咆哮が鳴りやんだ数秒後...... すっかり風通しが良くなった『敵』は断末魔の大轟音と共に海上で大爆発。

<< ドッゴォォォン......! >>

成層圏にまで巻き上げられた海水は高空で凍結して光を乱反射し、周囲数キロ四方を輝かせるほどの巨大な虹の墓標となって四散したのでした。


......完全勝利。

『敵』は跡形もなく消え失せ、そこには体のあちこちから煙を出し、勝利のオブジェと化して立ち尽くすGボットカイザーの姿だけがありました。

「ジー・エンド使用の反動により損傷甚大」

もはや合体解除どころか動くことすらできない3人。ジーメルは淡々とオーボットたちに伝えます。

「まあ、やっつけられたから、い~じゃない♪」
「よくないだろ!色々ぶっ壊してるし......これからどーすんですか、ジーメル?」

「......」

ジーメルは長い沈黙のあと、はた目には事務的に...... ですが、好意を込めてこう告げたのでした。

「オイルバーへ行こう」

......オヤという空気の後......自分たちが動けないことすら忘れて2人は、そして3人は心から笑い合います。

彼らの心は、大切なものを守ることが出来た達成感と自分たちを誇りに思う気持ちで、まさに今、1つになったのでした。

「たたかいの後で......」

「すっごーい! ねぇねぇ、見た 今の!?」

『敵』が爆発四散した少しあと......

少し離れた小高い丘の上で、戦場跡に立つGボットカイザーの雄姿に大興奮なテイルスと、それをちょっと引き気味の笑顔で見るソニックの姿がありました。

「テイルス......オマエのメカ好きも相変らずだな」

指摘を受けてはにかむテイルスは、切り替えるように真剣な表情で得意の分析を始めます。「異変」前のエッグマン軍との戦いのさなか、ここは確かにエッグマンの基地で、そこでジーメルとオーボットたちは互いに敵対していたはず。それがこのような形に変わったということは......

「ボクが思うに...... エッグマン自身も、この異変を制御できていないんじゃないかなって」

ひと呼吸の間を置いて、テイルスは続けます。

「エッグマンの計画では、もっと別の、エッグマンにとって都合のいい世界にするつもりだったんだと思う。でも、今のこれってそれとは全然違うよね?」
「確かに、エッグマンの手下のオーボットたちがジーメルと仲良くやってるなんて、ワケがわからないな」

テイルスの指摘にソニックもうなづきます。

「うん。でもそれだけじゃない。シャドウ達のライブ、エミーとブレイズの占いとか魔法とか、ボクの恰好とか...... エッグマンでは考えもつかないような変化があちこちで起き過ぎなんだ。しかも、ベースとなる関係性は保持したままでだよ?」
「......Hey テイルス。つまり、どういうことなんだ?」

ここまでひと息に話してそう問われたテイルスは、少し言葉に詰まるとこう答えました。

「うまく言えないけど......世界の『解釈』が......エッグマンじゃない誰かにあちこちで上書きされてるって言うか......」
「『解釈』!?......どうやって?いったい誰に?」
「わからない......。でも、そうでもないと、それぞれ無秩序なコンセプトを持つ異変が、世界中で起きてる理由が説明つかないんだ......」

言ってはみたものの、あまりに突拍子もない推論だと気付いたテイルスは、顔を赤くして目を伏せます。

「ご、ごめんボクちょっと......変なこと言ってるよね......」

結局は何も分析できてないんだと、テイルスは肩を落とします。でもソニックは、その両肩をぎゅっと掴むとこう言ったのでした。

「何言ってんだテイルス!確実に答えに近づいてるってコトじゃないか」
「......え?」
「『解釈上書き説』、いーじゃないか! 今はわからなくたって、どんな異変が起きてるかもっと調査をしていけば、その裏にいるヤツが見えてくるってコトだろ? オレたち、一歩前に進んでるんだぜ?」

物は言いよう。それこそ「解釈」だよと舌を巻きつつも、テイルスは胸に温かい自信が戻ってくるのを感じました。

「そ、そうだね......!ありがとう、ソニック!」

行こうぜと走り出すソニックと、笑顔で後を追うテイルス。一歩前に進んだ二人は、さらに二歩、三歩先の未来に向かって力強く足を踏み出したのでした。