異世界大喜利 2023年11月【ナックルズとソニックは何を......?】
★作例
「最初はグーっつってんだろ!」
毎月2人のキャラクターが驚きの装いとシチュエーションで登場! 思わず空想が膨らんでしまうイラストで、一緒に大喜利を楽しみましょう!
今回は勝者の証を携えた防衛者、格闘王ナックルズが、音速の道化師、挑戦者ソニックを迎え撃ちます!パワーとスピードがぶつかり合うドリームマッチの結末は......!?
皆さんだったらどんなセリフやナレーションをあてますか?
ゲームでの2人の雰囲気や世界観で整えるのもよし、大胆にアレンジして演出するのもよし! 作例では、自由すぎるソニックに困っているようですが...... そんな視点の大喜利ネタでもモチロンOKです!
ぜひ楽しんで、Twitter(X)の「#異世界大喜利」のタグと共につぶやいてみてください♪
良かったものについてはソニック公式Twitter(X)アカウントからレスにてご紹介をさせていただきます。
みなさんの楽しい大喜利投稿、お待ちしています!
Act11:「忘れられない好敵手」
「このベルトは俺だけのモンだ! そうだよな!」
「「ナックルズ! ナックルズ! うおおおー!」」
観客席に向け、チャンピオンベルトを掲げて吼えるのは、赤きハリモグラの格闘王、ナックルズ・ザ・エキドゥナ。 アリーナを埋めつくす大観衆の中、王者のパフォーマンスが場を熱くします。
「レディース&ジェントルメーン! 待ちに待ったタイトルマッチが遂に開幕チャオ~!」
ロボットのレフェリー「オモチャオ」もリング上を飛び回りながら、さらに会場を盛り上げるのでした。
「無敗の絶対防衛者ナックルズ、今日こそ王者の座が入れ替わるのか!? 注目のチャレンジャーの入場チャオ! 音速の道化師......ソニック・ザ・ヘッジホッグ!」
「よう! 元気そうだな、ナックルヘッド!」
スポットライトに照らされて登場した挑戦者の青いハリネズミが、コーナーポストの上に颯爽と降り立ちます。
カラフルな道化服に身を包み、その場で目を見張るような軽業を披露して見せたソニックが、仰々しいポーズと不敵な笑顔でナックルズと観客席に挨拶をしてみせると、観客席も沸き立つのでした。
キザな野郎だぜと両コブシを打ちつけたナックルズは、挑戦者を睨み付け......
「どこかで会ったか? なんでも良いが、簡単にやられてくれるなよ」
ソニックとテイルスは、エネルギーの出所をたどってこの会場へとやってきたのですが、そこにいたのは「格闘王」のナックルズ。
彼もどうやら「チャンピオンベルト」に変異したカオスエメラルドを持っているようなのですが...... その力をもってしても、ソニックたちを見て記憶を取り戻す気配はなかったのでした。
「なぜだろう? カオスエメラルドの反応もあるのに」
「元々騙されやすいヤツだし、異変の影響も強いのかもな...... まぁ見てろって! あの石頭に、ちょいと一発入れてやれば思い出すさ」
......ということで、ソニックは「挑戦者」としてナックルズに戦いを挑んだのです。
「「ナックルズ! ナックルズ!」」
ナックルズへの歓声一色で、地響きに包まれるリングサイド。 試合開始のゴングを今か今かと待つその観衆をチラリと見たソニックは、挑発とも取れる軽やかな足取りでナックルズへと距離を詰めると......
「おおーっと、挑戦者ソニック! 一体何をするつもりチャオ~!?」
拳をゆっくりと開いてニヤリと笑い、指の間から出現させたのは......無数のボール。 手品のように現れたそれをひとつ空中高く投げると、リングのコーナーポストを高速で飛び交いながら、見事なボールジャグリングを披露します。
まさかのハイレベルなパフォーマンスに、息をのんで見入ってしまう観客たち。 しまいにそのボールは、ナックルズの鼻先へ次々と積まれていき、そして......
<<ポン!>>
全てのボールが弾けると、そこにはキョロキョロと周囲を見回す青い鳥、フリッキーがとまっていたのでした。 驚き飛び上がるナックルズと、飛び去るフリッキー。
「新参者のちょっとした挨拶、気に入ってもらえたかな?」
「こ、この野郎......!」
いたずらっぽいウインクの後、またもニヤリと笑みを浮かべるソニック。
観客席から思わず漏れた笑い声。 そしてその後には見事なパフォーマンスをたたえる雨のような拍手がリングに降り注ぎます。
「「うおおおおすげえー!」」 「「ナックルズを完全に怒らせたぞ!」」 「「ソーニック! ソーニック!」」
「......てんめぇぇ!」
拳を震わせ怒りをあらわにしたナックルズに、リングポストの上からソニックが言葉を投げかけます。
「アウェーな空気もキライじゃないけど...... オーディエンスでオマエに負けてるのは、ちょっと気に入らないんでねえ」
気づけばチャンピオン一色だった歓声は、この数秒で五分五分に。 ナックルズはパン!と両手で頬を叩き、メラメラとソニックへの闘志を燃やします。
「気が合うじゃねーか、俺もオマエが気に入らねぇと思ってたとこだ!」
「「ナックルズ! ナックルズ!」」 「「ソーニック! ソーニック!」」
「リングも観客席も、お互い気合十分チャオね~! ではいよいよ、試合開始チャオ!」
<<カーン!>>
試合開始を告げるゴングが会場に鳴り響きました。
リング中央でにらみ合う二人。 俊敏に動き回るソニックに対して、ナックルズは目を凝らしどっしりと構えます。
タイミングを見極め、的確かつ燃えるようなストレートを合わせるナックルズですが、ソニックには紙一重でかわされてしまいます。 ソニックの方はと言うと、スキの無いナックルズの構えを崩そうと速度をどんどん上げていき......
「ブルートルネード!」
青い残像をひいてナックルズの周囲を高速回転。 強烈な竜巻を起こしナックルズを空高く吹き上げ、ジグザグの助走からスピンアタックを仕掛けます!
<<ガシィッ!>>
激しい打撃音に、誰しもがクリーンヒットを期待しましたが......
「残念だったな」
ソニックの体当たりを両拳で挟み込んでガードしたナックルズは歯を見せて笑うと、そのままソニックを地上へ勢い良く叩きつけました。
「ボルカニック、ダンクッ!」
<<ズゴォォン!>>
着弾とともに沸き起こる爆発と衝撃。 反動で空中へと打ち上げられたソニックでしたが、高速スピンで衝撃を分散させたのか目に見えるダメージは無く、すぐに体勢を立て直しています。
「オラオラオラァーッ!」
「へっ! 当たるかよっ!」
猛追するナックルズとそれをかわすソニック...... 空中ですれ違う赤と青の軌跡が激しい攻防を繰り広げました。
「す、すごい戦いチャオー!」
「「うおおおすげえー!」」
ハイレベルな高速バトルに実況が追い付かず、観客と共に驚きの声を上げるオモチャオ。 誰しもがこの戦いを前に、叫ばずにはいられません。
「ったく、相変わらずの馬鹿力だぜ...... でも、こうでなくっちゃな!」
パワフルで、遠慮無用の油断大敵な好敵手。 ソニックはいつしか、このナックルズとの真剣勝負の戦いの中で、柄にもなく気分が高揚している自分に気づき、思わず苦笑するのでした。
「腹立つ野郎だがやるじゃねえか! お前みたいなヤツを待ってたんだ!」
そしてそれは、ナックルズも同様でした。 受けたことのないはずの鋭い猛攻とスピードを前に、体が勝手に動く。 なぜか懐かしい不思議な精神の高揚にその胸を熱くしていたのです。
「(まだまだこんなモンじゃねぇ...... ヤツを倒せる最高の一撃を!)」
互いの気の昂ぶりが最高潮に達したその時......!
「そろそろフィナーレと行くぜ!」
「上等だ!」
トップスピードの音速スピンから繰り出される疾風怒濤の蹴りに対し、迎え撃つ活火山の爆発のような拳の一突き。 お互いの最高の一撃同士がぶつかり合います。
<<<< ドガァン! >>>>
互いの顔面に決まった、会心のクリーンヒット......! 同時に倒れる2人に、これまで以上の大歓声。
「「「「うおおおー! 」」」」 「「ナックルズ! ナックルズ!」」 「「ソーニック! ソーニック!」」
「りょ、両者ダウン! カウントするチャオ! ワーン......」
「ツー......」
騒然となった観客席で、テイルスも思わず拳を握りしめ、祈るような姿勢で2人の復帰を待ちます。
「いっ...... てぇ~!!」
「なんと! ほぼ同時に起き上が...... チャオ~!?」
目覚めは同時。ですが先に口を開いたのは、ナックルズの方でした。
途中でオモチャオを吹き飛ばしたのにも気づかずソニックに駆け寄ったナックルズは、蹴られた頭を抱えながらこう言います。
「何しやがんだソニック! ってなんだお前その恰好!?」
「......な? テイルス、言った通りになっただろ?」
殴られた頬を撫でながら得意顔のソニックをいぶかしげに見ていたナックルズでしたが、何かを急に思い出したのか、叫び声をあげます。
「そうだ聞いてくれ! エッグマンの工場をぶっ壊してたら、地下に妙なモンを見つけてよ!」
まるで止まっていた時が動きだしたかの様に、リングの下を指さしがなり立てるナックルズ。
「こいつが邪魔だな...... オラァ!」
振りかぶっての気合一閃!
<<ズゴーン!>>
足元に拳を振り下ろすと衝撃とともにリングが床ごと吹き飛びます。 巻き上がったガレキと土煙が収まった後、眼下に見えたのは......
地下の巨大な空間に向かって今も内側から連鎖的に崩落していく、ぽっかりと空いた大きな穴だったのでした。
ざわつく観客席をよそに、あっけに取られて穴を見つめる2人。 そしてその静寂を破り、テイルスの持つエネルギー検知器がけたたましい音をたてます。
<<ピピピ! ピピピ!>>
同時に沸き起こる、地の底からの重い地響き......! 穴の周囲では崩落も始まり、会場は騒然となりました。
「エネルギーの流れが、この穴の奥へと向かってるみたいだ......! 急がなきゃ!」
「ああ! ......だがちょっと待っててくれ」
ナックルズは、よろよろと戻ってきたオモチャオからマイクをひったくると、混乱する観客に向かってこう呼びかけました。
「おい、お前ら! 悪いがちょっと野暮用が入ってやべえことになっちまった! 色々言いたいことはあると思うが、ここは俺に預けて避難してくれ!」
一喝すると、オモチャオにマイクを押し付け、強制的に避難を任せます。
「な、なんだかわからないけど、とにかくみんな逃げるチャオ~!」
「「ナックルズがやべえっていってるんだ! 逃げろ!」」 「「うおおおおー!」」 「「ナックルズ! ナックルズ! ......」」
「すごい...... みんな行っちゃった」
感心を通り越して唖然としてしまったテイルスに笑いかけると、ナックルズは向かうべき暗く深い穴に向き直り、それを無言で見下ろすのでした。
「......とんだ没収試合になっちまったな」
いつの間にかナックルズの後ろに立ち、残念そうな風を装ってそう言い笑うソニック。
「へっ! どう見ても俺が勝ってたが、またやってやってもいいぜ」
「そいつはオレの台詞だ!」
そう言って先に穴に飛び込むソニック、続くテイルス。 そしてそれを追い、穴に身を躍らせたナックルズは、苦笑しながらこうこぼすのでした。
「ったく...... 気が合うじゃねーか」
「認知摩擦エネルギー」
穴を抜けた3人が見たものは、想像もしなかった異常な景観でした。 直径、深さともに100メートルほどの、巨大な円筒状の暗い地下空洞......
その最底部は、まっすぐ上を向いた、この空洞の直径ぴったりの巨大な白いパラボラアンテナになっており、その中心にはロケットの様に大きな円錐状のガラスの塔が、まばゆい光を放ってそそり立っていたのです。
「これは......!?」
ソニックは飛ぶテイルスにつかまり、ナックルズは得意の滑空で、その異様な光景を観察しながら、ゆっくりと慎重に降下していきました。
<<ピピピ! ピピピ!>>
降りるにつれ、各地の異世界エリアから集まってきている未知のエネルギーは、どんどんその強さを増していきます。 そしてそれはソニックたちが縦穴の中腹まで降りる頃には、もはや目に見える無数の紫の光の奔流となっていたのでした。
「す、すごいや...... ファントムルビーの力に似てはいるけど......」
このエネルギーが何なのか掴みかねていたテイルス。 ですがその流れの中に、各地の異世界のビジョンが明滅を繰り返しながら浮き沈みし、激しい火花を発しているのを見た瞬間、大きな気づきがテイルスに舞い降ります。
「そうか! わかったぞ!」
驚きのあまり、手につかまったソニックを振るい落としそうになったテイルスが告げた真実は衝撃的なものでした。
ファントムルビー兵器により、様々な人々の持つ、無数の異世界イメージを自分の認知に無理やり上書きされてしまった、ソニック達の「星」。 星自身が元々持っていた本来の現実と、この異世界現実との認知のズレが星に負荷を与えて、膨大なエネルギーを生じさせていたのです。
「つまり...... "認知摩擦エネルギー"って呼んだらいいのかな...... これを世界中からかすめ取るのが、エッグマンの目的だったんだよ!」
ちょうどテイルスの説明が終わるタイミングで空洞の最底部、巨大パラボラアンテナのお皿の上に降り立った3人は、無言で上を見やりました。
世界中から飛来した「認知摩擦エネルギー」がこのアンテナに受け止められ、ゆるやかに反射し、中心のガラスの塔の先端に集まっていきます。 そしてそこで収束したエネルギーは断続的に降下し、塔の根元の膨らんだ部分に次々と蓄えられていくのが見えたのでした。
「ったく、セコいことをハデにやらかすことにかけては相変らず一級品だぜ」
「ああ。 迷惑が服を着て歩いてるような奴だ」
呆れながら、かたや苦笑し、かたや苛立ちを隠しきれないソニックとナックルズ。
「塔の根元を見て! 周囲の空間がゆがむくらいのエネルギーが集まってる...... この星を4回は破壊しつくせるほどのパワーだよ!」
テイルスは深刻な表情でソニック達に伝えます。
「どうすりゃいい?」
「ええと、あのエネルギーはまだ活性化はされてないから、固定している場から解放してあげれば星の自己修復で事象が逆流して......」
「......分かるように言ってくれテイルス!」
「とにかく、ぶっ壊しゃ何とかなんだろ?」
「ま、まあ、実のところナックルズの言う通りだね...... あれを壊してエネルギーを解放して、世界を元に戻そう!」
「おっしゃあ、任せろ!」
腕まくりで意気揚々と塔に向かうナックルズ。それをしばし軽い苦笑で見送ったソニックでしたが......
「まあ、コイツはこうでなくっちゃな」
と、彼の背中を見ながら笑顔でうなづくと、ご機嫌な足取りで後に続いたのでした。
......やがて3人は無数の異世界ビジョンが周囲で明滅する塔の根元にたどり着くと、その威容に改めてため息をもらします。
タンク状のそれから漏れ出した光と異世界イメージは、まるで何かの悲鳴の様です。ナックルズを真ん中にして陣取った3人は、いよいよと覚悟を決めました。
「すごく頑丈な結晶体で作られてるけど、ナックルズのパワーでなら壊せると思う」
「馬鹿力っていいよな。何も考える必要なくて」
「その馬鹿とやらに今日はせいぜい感謝するんだな。いくぞ!」
ナックルズが握りしめた拳を高くあげ、力強く振り下ろそうとしたその時!
<<バシュウーッ>>
タンクがひときわ明るく輝き、目もくらむような白い閃光を発しました。
「うわっ!」
そして次の瞬間には、タンクから塔の先端、先端からはるか上空に向けて、直径数十メートルもの紫の光柱が突き抜けて行ったのです。
「な、なんだこれは......!」
その間、わずか数秒。その後には沈黙する塔と静寂が辺りを支配していたのでした。 そして空から響きわたる、大音声の聞き覚えのある声......
「「ホーッホッホ! こんな所まで良く来たのう、いまいましいハリネズミども! 目の付け所は良かったが、ちいとばかし遅かった様じゃのう」」
「エッグマン!?」
空をみやるソニックたち。
「「いかにも、この状況はワシの天才的な計画によるものじゃ。 これは "ギブアンドテイク"。皆に楽しい異世界をお届けした見返りに、ワシはこうして莫大なエネルギーを得て、この最強の兵器を完成させたというわけじゃ」」
「最強兵器!? あんなエネルギーを使うような物って......?」
思わずこぼしたテイルスの声に満足したのか、エッグマンは勢いに乗って声を張り上げます。
「「ワシを止められるものなら止めてみよ。 キサマらをこの最強兵器の実験台にして、塵芥へと変えてくれるわ!」」
<<ゴゴゴゴ......!>>
「うわっ!」
地響きとともに、足元から無数の植物の枝や根が異常な速度で湧き出し、いつの間にか巨大な花と変わったパラボラアンテナごと、ソニック達は地上へと押し上げられます。
「!?」
「まさか......! 異世界を局地的に作り出してる?」
「滅茶苦茶だ!」
戻った地表には、元あったエネルギー施設に転用されたケミカルプラントと、禍々しい植物のハイブリットのような光景が広がっており、そして......さらに3人の背後で起こった地響きに彼らが振り返ると、見上げるような紫金の巨人がこつ然と、そびえ立っていたのです。
「これが、エッグマンの最終兵器......!?」
恐ろしい戦いの幕が、切って落とされようとしていました。