SEGA

SEGA-SAMMY GROUP

クリエーターズ インタビュー

010:中村 俊

「クリエイターズ インタビュー」 第10回目は、
『SONIC THE HEDGEHOG』でディレクターを担当した中村 俊を紹介!

プロフィール:
1997年セガ入社
中村 俊(なかむら しゅん)
セガ/第一GE研究開発部/プランニングセクション
『ソニックR』、『ソニックアドベンチャー』に参加後、
『サンバDEアミーゴ』『ジャイアントエッグ』などのディレクターを務める。

初代タイトルの重み

今回は、12月21日に発売されました『SONIC THE HEDGEHOG』ディレクターの
中村 俊さんにお話しを伺いたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!

よろしくお願いします。

中村さんは、どういう経緯で『SONIC THE HEDGEHOG』チームのディレクターになったのでしょうか?

『ジャイアントエッグ』が終了した後、いろいろ新しい企画を考えていたんです。その時、「今度は日本でもソニックを作ろうと思っている」という話を当時の中 本部長から直接もらいまして。

じゃあ、ソニックの企画を考えてみるかということで、新しい企画を立てた流れからディレクターをやることになりました。

今回のゲームタイトルは『SONIC THE HEDGEHOG』。ソニック生誕15周年ということもあって原点に回帰したとのことですが、タイトル名を第一作目と同じにするという決断は大変勇気がいるものだと思います。最終的にこのタイトル名にした理由はなんでしょうか?

企画書レベルでは、比較的最初のほうから『SONIC THE HEDGEHOG』だったんです。

次世代機ということもあり、2Dから3Dへの変化と同じくらいのインパクトが求められていました。
あまりにも続編過ぎるタイトルだと、ユーザーに“安心感”はあるけれども“期待感”は薄くなるし、次世代機も盛り上がらないなと。
なので、ユーザーに生まれ変わった新しいソニックの期待感を持ってもらうことが出来るタイトル、開発スタッフがタイトルの重さを感じながらより良い作品を生み出せるタイトル、ということで初代のタイトル『SONIC THE HEDGEHOG』を使うことにしました。

やっぱり、反対も多かったです。初代タイトルの重みとか、副題を付けたほうがいいんじゃないかとか、いろいろ言われました。もちろんプレッシャーもありました。15年前のソニックは偉大ですからね。

新キャラクター「シルバー」は、どのように生み出されたのでしょうか?

実は、『SONIC THE HEDGEHOG』を手掛ける前に、超能力を使った別のゲームを考えていたんです。

その後『SONIC THE HEDGEHOG』を作ることになったとき、当初から新しいキャラクターの追加と、物理エンジンを使うということは決まっていましたので、今作での新キャラクターにはその「超能力」を使ったアイデアや演出がうまく活かせるのではないかと。そして、これが見事にハマりました。

ソニックとは全く違うゲーム性のキャラクターなのでそれだけの大変な苦労はありましたけどね。また、シャドウや他のキャラクター達とイメージが重ならないようにするのにも注意を払いました。

結果として、とても素晴らしいキャラクターを生み出すことができたと思っています。

「シルバー(Silver)」は、「ソニック(Sonic)」、「シャドウ(Shadow)」に引き続き頭文字が「S」で始まっていますね。これには何か理由があるのでしょうか?

アメリカでは、売り場にゲームが置かれるとき、アルファベット順に並べられる場合が多いそうです。

例えば『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』のときのように、キャラクター名でゲームが発売されることになった場合、「S」で始まるものだと「ソニック」のゲームのそばに置いてもらえる。そうすることによって、ユーザーさんに「ソニック」との関連性を認知してもらえ、購買へ繋がる可能性が広がるかもしれないと。
そういうこともあって、最終的に「S」から始まる名前に落ち着きました。

キャラクターの特徴である色や、能力をイメージさせるという意味でも、「シルバー」という名前はまさにピッタリだと思っています。


おたのしみ