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『マリオ&ソニック AT リオオリンピック™』(Wii U版)発売記念!サウンドインタビュー ACT 1

カーニバルイベント シリーズ初のヴォーカル曲?!

大谷 リオ収録以外では?

床井 『マリオ&ソニック』シリーズのオリジナル楽曲としては初めての試みですが、ヴォーカル曲があります。これはカーニバルイベントという対戦を行うモードがありまして、マリオやソニック達が山車に乗ってカーニバルをしながら登場するのですが、その間ずっと流れている曲です。この曲の制作は結構大変でしたね。

大谷 何が大変でした?

床井 まずは人数感。本物のカーニバルでは、1つのチームで多いところでは3,000〜4,000人いて、バテリアだけで200〜300人もいるんですよ。ですからそういった人数感を出さなきゃいけない。なので、私もスルドとヘピニキで参加しています(笑)。それから一番大変だったのが歌詞の制作でしたね。国際オリンピック委員会や現地のオリンピック組織委員会、任天堂さんと弊社の海外部門など、多方面に監修してもらい、最終的には素晴らしい歌詞になりました。そもそもサンバってヴォーカル曲なんですけど、リオのカーニバルっていうのは“エンヘード”っていうテーマ(物語)を決めて、“シノープス”っていう台本を作って曲の歌詞や構成を作成していくんですけど、これが大人数の“エスコーラ・ヂ・サンバ”の作り方になるわけですね。今回、マリオとソニックのエンヘードを作りたいということで、それを具現化出来る方は居ないかといろいろ探しましたところ、フランシス・シウバ(Francis Silva)さんという日本で活躍されているミュージシャンを知ってコンタクトを取らせていただきました。

中川 リオのカーニバルというのは毎回踊ってなんとなく歌っているわけではなくて、毎年テーマを決めて、それに沿って歌詞と曲を起こして、それに沿った衣装を作って踊るという......

大谷 コンセプチュアルなんですね。

床井 その山車の配列やら人の組立がちゃんとエンヘードに沿った物語になっている。

中川 ある意味で1つの映画を観ているというイメージが、カーニバルで再現される......

大谷 じゃあその、並び順にも起承転結の意味があるんですね。

床井 しっかりとした意味がありますね。歌っている物語を視覚化しているので、どれだけマッチしているかが評価につながっていく訳です。

中川 単にダンサーが踊って仮装行列しているわけではなく。

大谷 派手さ対決ってわけではないのですね。

床井 で、その完成度を競うわけです。

大谷 ゲームでカーニバルイベントの曲を作ろうと思ったら、そういうコンセプトやストーリーから入るわけですね。そうなると、今作のテーマは?

床井 「マリオとソニック達とともに、この素晴らしいリオで、夢と希望をカーニバルに乗せて分かち合おう!」っていうのがテーマですね。

床井 フランシスさんサイドは日本で長く仕事をされているので摺り合わせはすごくよかったのですけど、それでも言葉の壁というのがあって、和製英語的なことは当然通じないですし、思っている意味が全然違ってお互い誤解することがありまして(笑)。

大谷 具体的にどんな言葉ですか?

床井 “ヒストリー”ですね。サンバの歌詞を作成頂く際に使われてました。

中川 先方にとって先ほどの説明は当たり前のことなんですけど、こちらは初めて知ったことばかりで、“ヒストリー”が必須と言われたんです。で、サンバは常にブラジルの歴史を盛り込まなくてはいけないのか?と僕らは誤解してました。

大谷 “ヒストリー”より“ストーリー”と言ってくれた方が判りやすかった?

床井 まさにそうですね。歌詞の「概要、あらすじ」が欲しいということを言われて初めて分かったのですが、ポップスの作詞ではよくある抽象的な感じでみんなにも共有出来そうな歌詞を作りました。しかし、どういう意図でその歌詞になっているのか、概要がないと、何を伝えたいのか分からず戸惑われた様です。ポルトガル語は、主語で動詞が全て変化するらしく、日本語と全く違うそうです。そこを間違えると文章が全く違うものになってしまうとのことで、そこでも作詞の文化の違いが出ていましたね。このヴォーカルとコーラスで全ての行程が終わった時のフランシスさんとの固い握手は今でも良い思い出ですよ!!“やっと終わった!”となってみんなで最後に聴くじゃないですか? 皆さん当然プロの方達ですので、そういった方に「サンバになったね!」とか「よくなったね!」と言ってもらえて、その言葉を聞けただけでもやってよかったなと思いました。

大谷 現地出身の人にもお墨付きをいただいたサンバ音楽ということですね。今回リオでの収録を決めたことも、もし自分がサウンドディレクターだったらそういう判断をしたかな?と考えてしまいました。床井さんはいろいろなアプローチを天秤に掛けながらも、ハイリスクな方に飛び込んで行くところがあるなって気がします(笑)。

床井 大変な事だと分かっていても、それが凄く面白い!と思うとそっちに飛び込んじゃうみたいな(笑)。飛び込んだからには最後まで「良いものを作ろう!」っていうモードになるわけです。追い込まれたほうが燃えるタイプなので(笑)。

大谷 カーニバル曲の成り立ちはよく判りました。是非ゲームで観てみたいのですが、どうやったらそのシーンを観ることが出来るのですか?

床井 大会のレベルを上げてどんどん大会を盛り上げてみて下さいね!アナウンスと共にチームマリオとチームソニックの賑やかなパレードで登場して来ると思いますよ!

大谷 なるほど、やってみます!

コンポーザー#1 福山 光晴

大谷 さて、そろそろ他のコンポーザーにも話を聞いていきたいと思います。最初は福山くんです。

福山 よろしくお願いします。

大谷 福山くんは僕と同期入社なんです。最初はAM(業務用)サウンドに入ったんだよね?

Act 2(7/1公開予定)に続く

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