SONIC MUSIC EXPERIENCE / バンドパート / Tokyo July 12, 2025

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みなさんこんにちは、「ソニック」シリーズサウンドディレクターの瀬上です。

気がついたら、だいぶ長いことサウンドコラムを書いていなかったのですが、調べてみたら最後の記事は2019年12月のもので、なんと5年半以上も前のことでした。私がやっているバンドのひとつ、「ソニック」シリーズのインスト楽曲を演奏するSonic Adventure Music Experience(以下、S.A.M.E.)のライブも同様で、2019年12月以来の久しぶりのショウを行ったところでしたので、その様子や舞台裏を振り返っておきたいと思います。

S.A.M.E.は、「ソニック」25周年を祝った2016年に、音楽面からもアニバーサリーイヤーを盛り上げようという考えからスタートしたインストバンドです。ちなみに、20周年を祝った2011年には、Crush 40のフルバンドライブを始めたり、30周年を祝った2021年には、オンラインで行ったSonic 30th Anniversary Symphonyに参加したり、ということもありました。

S.A.M.E.は、楽曲を作ったりアレンジしたりした私がギターを、『ソニックアドベンチャー』以降の多くの楽曲でレコーディングに参加してきたベースの種子田健、そしてドラムには「ソニック」シリーズの楽曲を聴いて育ってきたAkht.というトリオですが、最小編成のバンドでいかにカッコよく仕上げるか?というポイントに主眼をおいて、アレンジをしています。インストバンドなので、ゲーム中のステージ曲を中心に、それぞれの曲の長さに合わせて編集したプレイ動画などを背景のスクリーンに映しながら演奏するスタイルで、視覚的にも楽しんでもらえるようなライブを心がけています。

久しぶりの公演を考えはじめたのは、私がサウンドディレクターを務めたタイトル、『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』の際に、このメンバーで何曲かをレコーディングしたことがきっかけで、それらの楽曲をライブで披露したいと思ったのです。

S.A.M.E.のキービジュアルは、ギターを携えたソニックですが、昨年の秋には私が描いたラフを元に上川さんに、シャドウを用いたアートの制作も依頼しました。 なかなか時間が折り合わず、唯一の候補日となった2025年7月12日に公演を行なうことを決定し、そして今までの公演とはちょっと試みをしようと思い立ち、大谷にDJセットでの参加を打診して、カップリングでのライブイベント、『Sonic Music Experience』としました。実は、この組み合わせは、それぞれが『Sonic The Hedgehog DJ Style "Party"』、『Rock 'N' Sonic The Hedgehog "Sessions!"』をリリースしたタイミングで考えていたものでしたが、ようやく具現化することができました。

さて、久しぶりのS.A.M.E.のライブということで、そのセットリストを決めるのは一苦労でした。お気に入り楽曲は残したい、新作からの楽曲も披露したい、ファンからのリクエストにも応えたい、そのショウで初めて耳にしてもらえるアレンジも作りたい、このイベントだけで見せられるものも用意したい、でも持ち時間に限りはある...... ということで、最終的に演奏した今回のセットリストはこちら。

  • Seaside Hill : Act 2 (Sonic Generations - Seaside Hill)
  • This Way Out (Sonic Adventure 2 - Prison Lane)
  • Choose Your Buddy! (Sonic Adventure - Character Select)
  • Welcome to Station Square (Sonic Adventure - Station Square)
  • Bridge Island Zone [S.A.M.E. Version] (Sonic Superstars)
  • Won't Stop, Just Go! (Sonic Adventure 2 - Green Forest)
  • Rail Canyon: Act 1 (Shadow Generations - Rail Canyon)
  • Sunset Heights: Act 1 (Shadow Generations - Sunset Heights)
  • Mr. Unsmiley (Sonic Adventure 2 - Sky Rail)
  • Space Colony ARK: Act 1 (Shadow Generations - Space Colony ARK)
  • Tokyo [Westopolis Remix] (Shadow Generations - Tokyo)
  • Run Through the Speed Highway (Sonic Adventure - Speed Highway)
  • Keys the Ruin (Sonic Adventure 2 - Pyramid Cave)
  • Be Cool, Be Wild and Be Groovy (Sonic Adventure - Ice Cap)
  • On the Edge (Sonic Adventure 2 - Eternal Engine)
  • That's the Way I Like It (Sonic Adventure 2 - Metal Harbor)

"Bridge Island Zone"は、「ソニックスーパースターズ」の最初のステージ曲ですが、バンドとして演奏したら、自分らしい「海面」テイストの曲になると思っていたので、このライブ向けにS.A.M.E.バージョンのアレンジを用意したもので、今回のライブで初披露しました。

"Be Cool, Be Wild and Be Groovy"は、ゲストミュージシャンとしてサックスプレイヤーの中村有里さんを迎えることを決めたあと、最後のバンドリハにて選曲を変更して決めたもの。ちなみに中村さんとの音合わせは当日のみで、それ以前にも面識はあったものの、初めて一緒に音を出した日でもありました。そういう「セッション」感というのは、こういうサイズ感の現場だからこそできるものだと思うので、演者も来場者も楽しめる機会というのは、今後もチャンスがあれば考えたいものです。

同じくゲストミュージシャンとしてギターのSakuraさん(HAGANE)を迎えた"On The Edge"は、ギターのハーモニーなど、私のギターだけではライブで再現できないフレーズを演奏できたので良かったです。SakuraさんもドラムのAkht.同様、「ソニック」の楽曲を聴いて育ったことを雑誌のインタビューで公言しているくらいの「ソニック」ファンなので、そういう世代を越えたコラボレーションもまた、意義があると感じています。

個人的なハイライトは、やはり『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』のシャドウ関連楽曲をフィーチャーしたパートでした。原曲よりもダーク&ヘヴィにアレンジした"Sunset Heights"や、リクエストが多かった"Mr. Unsmiley"、そしてゲーム収録バージョンとは異なり、バンドっぽさを前面に押し出した"Space Colony ARK: Act 1"など、今後のセットでも軸になりそうなセクションになったかなと思います。

終わってみれば、あっという間に駆け抜けた感がある1日でしたが、また近いうちに皆さんの前で演奏する機会を楽しみにしています。

それでは、また次回...
See Ya!!

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