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SEGA-SAMMY GROUP

「TRUE COLORS」発売記念 サウンドチーム座談会

Date:2009.12.16

瀬上:特に『ソニックCD』から『ソニックR』までは、さっき出ていたダンスミュージックというのを音楽面の軸として、スピード感とか爽快感とかのキーワードを、うまく音に消化する手法として取ったと思うんだけど、『ソニックアドベンチャー』のタイミングで、大掛かりな路線変更をやってみようと。当時の床井くんの言葉を借りるなら「ロックを軸にソニックの持つ個性をより明確にするため、リアルをコンセプトとする」とかさ。

床井:ずっと、リアルリアル言ってた気がするなぁ。音楽的にロックにしようとか。

瀬上:あのときは、熊谷を含めた3人で、とにかく何か手を加えるってのをやってたよね。

幡谷:あー、そんなことやってたなー。

大谷:それは大変そう!

幡谷:それ、何が目的?

床井:自分で完結しないようにというのが第一ですね。バラエティ感や色合いが欲しいというか。

瀬上:そこで、得意ジャンルが異なる3人が、それぞれの曲に手を入れるという流れを取ってました。

幡谷:揃えたかったの?

大谷:何だか粒が揃っていきそうな気がしますけど...?

瀬上:いや、決してカドを落とす作業じゃなかったですよ。

床井:自分にないアイディアが入ってくる新鮮さが欲しかったんだよね。プラスしていくとどうなるか?というね。

瀬上:エミーのテーマだって、熊谷のデモは僕がベース弾いてたし、床井くんも何かを足してたしね。

大谷:あぁ、何かバンドみたいな感じ。

床井:あぁ、そう、正にそれ。メインテーマもそうだし。

瀬上:そうそう、メロディのハーモニーパートとかも、最初のアイディアは床井くんだし。

幡谷:最近は、やらないよね。

大谷:今やっても面白そうですよね。で、効率はいいんですか?

瀬上:この前さ、別なプロジェクトの床井くんの曲でギター弾いたじゃん?自分が普段弾かないような感じのフレーズだから僕も新鮮だけど、作者の床井くんからしてみても、自分のフレーズを他の人が弾いただけで違う感じになるじゃん?

レコーディングとかで他のミュージシャンに弾いてもらうまで行かない制作途中の段階で、足される何かがあると違うよね。「お、こう来るなら、ココはこういうアプローチに変えようか!」ということが起こるわけでさ。

だから…効率っていう意味で考えると「悪い」よ!(笑)

床井:到達点ってのが無いからなぁ。差し戻したり、差し戻されたりして。

幡谷:いいところと悪いところがあるよね。平和裏に完結しないものとかもあるだろうし。

瀬上:いやー、あの半年とか、言葉には出さないけど…というのは絶対にあったと思うよ!

一同:

幡谷:そういうところでしっかり判断して、妥協なくってのが良かったよね。

瀬上:そうですね。お互いが持ってないところを補うというコンセプトで、そうやって一作を作り終えて。それぞれの得意分野も、より深く分かりましたしね。

瀬上:『ソニックアドベンチャー』は、6つのキャラクターに対して、それぞれのゲームがあるような感じでしたけど、その次の『ソニックアドベンチャー2』は、2本のストーリーの上で、そのときどきの主役となるキャラクターが入れ替わっていくタイプのゲームでしたから、それぞれのキャラクターのテーマを作って、それで決めた音楽の方向性をステージの曲にも落とし込むという流れでしたね。

なので、キャラクター別の音楽性というのは、より別なベクトルを向いている必要性がありました。で、大谷にナックルズのステージ曲を全面的に担当してもらったんだよね。よりヒップホップな感じで、それを前面に打ち出したリリックも入ったもので。

大谷:作っているときに、床井さんには「ファンクにしようよ、ファンクに」って言ってましたよ!

瀬上:へえ、それは初耳だ!

床井:僕はルージュをやってましたよ。

瀬上:へー、そうなんだ?それも初耳だ!

幡谷:クレジットされてないよね?

床井:知らなかった!

瀬上:シャドウに関しては、Co-FusionのHeigo Taniさんがテクノ~クラブ系のエッセンスを、ルージュの方はニューヨークを拠点にプロデュースワークを手掛けているAtsushi "SUSHI" Kosugiさんが、女スパイということでジャズ系で色気と緊張感のスパイスを、それぞれ打ち出した感じでした。

幡谷:ルージュはキャラクターと音楽性が合ってるよね。

瀬上:さっきも言ったけど、キャラ別に分ける以上、より明確にハッキリと差別化されている必要性があったので、それぞれのベクトルが尖ってるのは良いことでしたね。デモで打ち出した方向性を、それらのコラボレーションによって、更に推し進めてもらった感じでした。

幡谷:それにしても、ソニックの音楽に関しては、バラエティ感というのは強く感じるね。

瀬上:今回は流れ上、僕のコンピレーション~Crush 40のベスト盤に続く、3ヶ月連続リリースの一環としての企画となっていますが、このアルバムはCSサウンドチームのコンピレーションみたいなものですからね。

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