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異世界大喜利 2023年6月【テイルスとマリンは何を......?】

★作例

出前を途中で食べ、おかわりまでねだる配達員がやばい

毎月2人のキャラクターが驚きの装いとシチュエーションで登場! 思わず空想が膨らんでしまうイラストで、一緒に大喜利を楽しみましょう!

今回は舞台でヒロインを演じる可愛らしい衣装のテイルスと、華やかで勇ましい主役を務めるマリンが登場!役になりきり劇を盛り上げるマリンと対照的に、テイルスはこの状況に困惑しているようで......?

皆さんだったらどんなセリフやナレーションをあてますか?

ゲームでの2人の雰囲気や世界観で整えるのもよし、大胆にアレンジして演出するのもよし! 作例では、目を輝かせ図々しさMAXのマリンに困惑を隠せないテイルスですが...... そんな自由な大喜利ネタもOKです!

ぜひ楽しんで、Twitterの「#異世界大喜利」のタグと共につぶやいてみてください♪

良かったものについてはソニック公式Twitterアカウントからレスにてご紹介をさせていただきます。

みなさんの楽しい大喜利投稿、お待ちしています!

Act6:「真実のプリンセス!?」

スポットライトに輝く演劇場の大舞台。セットのバルコニーからしずしずと現れたのは、見目うるわしいドレスに身を包んだ薄幸のヒロインの「テイルス」。固唾を飲んで見守る観客を前に、あの名セリフが飛び出しますが......

「おお~ロミオよロミオ。どうしてキミは......って、えええっ!?」

......ロミオ?なんでボクは歌っているの!? この音楽は何? ......ってココはどこ? 今の今まで役に徹していたテイルスが、突然我に返ったようになってパニック状態に......!

たくさんの観客の目に今さら気付いたかの様に、スカートをふりふり慌てふためきます。そこへ階下からどこか聞き覚えのある声が返ってきました。

「あぁ我が愛しの子ギツネ、ジュリエット~。どうしてもなんも、ウチがめっちゃ男前なんはしゃーないコトなんやで~♪」

ハッとしてバルコニーから身を乗り出したテイルスは、歌声の主を見て驚きます。

それはかつてテイルスと一緒に冒険をしたアライグマの女の子「マリン」......の、時代がかったキラキラ衣装に身をつつみ、うっとりとした表情で歌いかける怪しげな姿だったのでした。

「マリン! どうして君がここに......? それにそのヘンな衣装......ここで一体何をやってるの?」
「(......アホ! テイルス! どないしたん? 今は公演中や! 昨日もやったやろ?)」
「公演? 確かに昨日もしたけど......ってあれ? この記憶は一体......!? それにこのドレスは何なの~!?」

恥ずかしさに取り乱すテイルスにマリンは目をすがめ、小声で話しかけます。

「(テイルスぅ、もしかして台詞飛んだんか? あかん。そろそろお客さんも気づくころや......!)」
「そうだ! 今は『公演中』だった......!」

テイルスの中に確かにある、これまで舞台に立っていたという「身に覚えのない」不思議な記憶。でも混乱した今は演技をするどころではありません。涙目でアタフタするテイルスを、マリンは勇気づけようとします。

「(......よっしゃ!ここはウチにまかせとき! ショーマストゴーオンやで、テイルス!)」
「ありがとう。マリンのその根拠のない自信が、こんなにも頼もしく見える日が来るなんて......」

「(ウチはいつでも頼もしいわ!)......ウチとのバリバリでチキチキな夢の日々を思い出すんや、ジュリエット~♪」
「え? お......おぉ~、ロミオ~♪ キミの活躍がバリバリだったかは知らないけど~楽しかったね~♪」

......こうしてマリンのあからさまな助け舟台詞と、テイルスの微妙に外したレスポンスの妙が存外に観客に受け、なんとかその日の公演を乗り切ることができたのでした。


数日後......

落ち着いたテイルスは、変わってしまったこの世界について独自に調べ、状況を大体把握することができました。

テイルスはそれを毎日マリンに伝え、何か行動を起こすよう説得するのですが......演劇団「やしのみ一座」の座長としての記憶を持つマリンには話がさっぱり通じません。 それどころかマリンは、それを全て演劇のネタ案だと受け取ってしまい、何かしらの形で次の劇の内容に盛り込んでしまう始末......

テイルスは自分の訴えが徒労に終わる日々にうんざりし始めていました。 舞台が終わり、テイルスが楽屋でいつものように無力感を背にしょんぼり座っていると、マリンがご機嫌で部屋に入ってきます。

「おつかれやでテイルス! 今日のネタも、キレッキレでドッカンドッカンやったな! テイルスが毎回ぎょーさんおもろいネタ提供してくれるおかげやで!」

そう言いながら慣れた動きで冷蔵庫を開けると、中から怪しい原色カラーの、半ばゲル状の液体が入ったコップを取り出し、得意満面でテイルスに手渡します。

「......ウチが作っためっちゃ元気出る特製ドリンク飲んどき! ブルーマテリアルの米麹ヤシの実ジュース割り!元気もりもりやで!」
「あ、ありがとう......。遠慮しとくよ......ボクはまだ元気でいたいからね。 それより、昨日話したエッグマンについての話だけど......」

テイルスは今日こそはと、マリンに状況説明を試みます。

「早速ネタの話? あの、世界征服の為にとんでもないことしでかすっちゅー挙動不審なオッチャンやろ?」

彼女の中での「エッグマン」は、劇中の主人公たちを邪魔する、悪の老紳士になっていました。けったいな名前やな~などと言いながら雑に登場させているのですが、これまた人気を博しています。 話のすれ違いを感じつつも、テイルスは負けじと話を続けるのでした。

「それにキミは知らないだろうけど、シルバーだって......」
「あの有名な天才スケーターが超能力者って話やろ! 心配いらん。明日の舞台できっちり使たる! あれで滑って駆け落ちすんねや!」
「......はぁ」

ビジュアル系ボーカル、タマゴ占い師、謎のヒーロー「ベクターマン」......元の世界から大きく変容してしまったこれらの状況を、いくらテイルスが礼をあげてもマリンは全て劇のネタ扱いです。

今日もだめかと肩を落とすテイルスを横目に、マリンは過剰に慈愛に満ちた表情で隣へ腰を下ろし、ゆっくりと語りかけるのでした。

「あのなテイルス。こない真剣にネタ考えてくれるテイルスのこと、ウチ、ホンマに買っとんねん。 ウチにはこの『やしのみ一座』の座長としての夢と使命があるからな。それで再公演しまくって世界中のみんなを笑顔にしたら、稼いだ大金でマリン御殿を建てるんや!」

片足をソファに乗せ、握りこぶしを振り上げるマリン。後半さえ無ければ立派な演説だったのですが......この憎めない残念さもまたマリンの良さだよなあと、テイルスは苦笑します。

「......その気概は尊敬するよ。 でも......ボクの話は全部本当のことでネタじゃないんだ。 マリンがこの世界の住人じゃないってこともだよ? そうだ! キミはブレイズと同じ世界の住人なんだ! これでも何か思い出さない?」
「なっ......! ブレイズと同じ世界!?」

大きく目を見開き、大きな反応を見せるマリン。数秒の沈黙が楽屋を支配します。

ついに、ついに話が通じたのかと、テイルスは目に光を取り戻しますが......

「......わかったで! つまり......ついにウチにも、魔法皇女になる時が来たっちゅーことやな!」
「どうしてそうなるの~!!」

くっと目を閉じて、無力感に押しつぶされそうになるテイルス。世界に異変を感じているのは自分だけなのでしょうか? 大きな孤独感と絶望がテイルスを襲ったのでした。

「う、うわああああ!」

もうダメだ......!と思ったテイルスは、スカートが乱れるのも構わず走り出し、楽屋から飛び出していきます。

「テ、テイルス、待ちーや!」

そう叫びつつも追いはせず...... 毎度困ったものだと苦笑したマリンは、テイルスに渡し損ねたドリンクに口をつけますが......

「うわ、まっず! なんやこれ!」

そのあまりの酷い味に、今日一番の大声を上げたのでした。

「幕が降りて......」

「やしのみ一座」。

看板役者のテイルスと野心あふれる座長マリンによる、大人気の演劇一座。彼ら2人の見た目や記憶が変わってはいるものの、やはり元の性格は残しているようだけど......

......と、その時。演劇場の裏口のトビラが突然開き、中をうかがっていたオレの胸に、桃色のフワフワドレスのままデタラメなフォームで走り出してきた人影が、ドスンとぶつかってひっくり返った!

「ご、ごめんなさい!」

そう言って、スカートのすそを持ち上げて立ち上がろうとしたその懐かしい人影は......こちらを見るやいなや数秒間固まったようになって......どうにか絞り出すようなか細い声で、オレに向かってこう言ったんだ。

「ソ......ソニック!? ソニックだよね!? そんな恰好してるけどソニックだよね!?」
「あったり前だろテイルス! オマエこそずいぶんと可愛く変わっちまって......中々似合ってるじゃないか?」

......そうしたらテイルスのヤツ、またへたりこんじまって。演劇場の路地裏でワンワン泣き出したもんだから、なんだかオレが女の子をいじめてるみたいになって困っちまったぜ......!

テイルスは、オレが異変後も変わらないのはすごい! さすがはソニックだって泣き笑顔で言ってくれたけど、それはこっちの台詞だったんだぜ、テイルス?


しばらくのち......

「というわけで、この世界はエッグマンの引き起こした何らかの『異変』によって、大きく変わってしまったんだ」

冷静さを取り戻したテイルスは、ソニックに向けて状況を整理し始めました。

「ボクたちはみんな直前まで『何か』を止めようとしていたけど間に合わなかった。みんな見た目も記憶も違う物に差し変わってしまった......ソニックだけが、なぜか異変を免れた」
「......オマエもだぜ、テイルス?」

テイルスは少し照れながら自分にはタイムラグがあったと謙遜しつつ、自身の頭上を指さします。

「ボクが元の自分を思い出せたのは、コレのおかげなんじゃないかな?」
「そのお似合いのティアラが?」

茶化すソニックにまた少し照れながらも、テイルスは異変の前に、黄色のカオスエメラルドを所持していたことを説明します。

「このティアラ、きっとカオスエメラルドが変化した姿だよ。これが何らかの力を発揮して持っていたボクの記憶を守った......んだと思う」

ソニックは大きくうなづきます。

「なるほどねぇ、だとするとオレのコレも......?」
「そうだよ! カオスエメラルドだ! ソニックも持ってたんだね! やっぱりボクの推論は正しいのかもしれない......!」

テイルスは、自分のように記憶を取り戻した仲間が他にいるはずだと続けます。

「OK分かったぜテイルス! まずはカオスエメラルドを持ってる仲間を探す! 一緒に異変の謎を解く! それからエッグマンを倒して世界を元通りにする! そーいうコトだよな?」
「うん! カオスエメラルドは、ボクのエネルギー検知器で判別ができると思うよ!」
「Great! テイルス、やっぱりオマエはサイコーだ! ......エッグマンも運がないよな? よりにもよって、オレたちの記憶が残ってたなんてな!」

無言でサムアップをかわし、走り出す2人。世界に起きたこの大異変への「反撃ののろし」が今、最高の2人によってたち昇ったのでした。

つづく......!