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『ソニックマニア』 梅田浩二(ウメP)氏 プレイインプレッションを公開!

このたび『ソニックマニア』のレビューを担当させていただくことになりました、ウメと申します。私のことをご存知の方がいましたら、大変ご無沙汰しております。

私の自己紹介を軽くさせていただくと、私は1992年から1997年までセガ・エンタープライゼス(現セガゲームス)に在籍して広報などを担当し、その後セガ専門誌「セガサターンマガジン」に転職して「ドリームキャストマガジン」「ドリマガ」にてセガを熱く応援する記事を制作、その後「ゲーマガ」では編集長に就任し、完全に公私混同でウメPとして主にアイマスの記事を担当をしていました(自己紹介、端折りすぎ)。

「ウメP、今なにしてんの?」と今でも私のことを覚えていてくれる方がいましたら、現在の近況など気になるかと思います。ゲーマガ休刊後、私はゲーム業界からは退役してしまい、現在はメディアの仕事とは無関係の職に就いております。プライベートでも何とゲームと名が付くモノはすっかりプレイしなくなってしまい、自宅にもPS4以降のハードは何一つありません。スマホゲームも「スクフェス」を少しかじったくらいで、あれだけ好きだった「アイマス」もスマホ版ではどれも軽くプレイした程度。

据え置きハードの重厚な骨太ゲームは「忙しい」「時間がない」「億劫だ」という理由でプレイしなくなり、では最近流行りのスマホでポチポチとタップするだけでイベントが進行するカジュアルゲームは「こんなのゲームじゃねぇ!」と怒りを覚えてプレイする気にもならず。

じゃオレはどっちなんだ......?ハッ、もしかしてゲームそのものに興味がなくなり、冷めてしまったのでは......。いや、まさかそんな!と自問自答の日々を送っています。

こんな私に『ソニックマニア』のレビューが務まるのかいささか不安ではありますが、昔(当時)のエピソードなども交えながら書かせていただきます。

今回、PS4版でプレイしたのですが、起動時にさっそく心を鷲づかみにされたのが、お馴染みの「♪セーガー」ボイス!......ではなく、じつはセガロゴ表記、そして企業ロゴ表記だったりします。ロゴのドットが粗い!高精細なHD画像ではなく、あえてメガドライブ風な解像度、しかもそれが起動時のロゴ表記から、ですよ。開発スタッフ、わかってる!

そしてゲームをプレイすると、私がメガドライブのソニックで一番大好きな『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』(以下、『2』)に準拠している点が、とても好印象。そう、ソニックは『1』ではなく『2』が至高なんですよ(個人的主観)。個人的にソニックは、全シリーズの中で『2』が一番思い入れが強かったりします。

私がセガに入社したのは1992年9月なんですが(中途)、入社早々真っ先に担当したのが、1992年11月21日に発売を控えた、この『2』のデバッグでした。 入社時は企画制作部という部署に配属されたのですが、とにかく手が空いている社員・アルバイト総動員で『2』のデバッグをしていて、入社早々そりゃもう壮絶な景色を目の当たりにしました。

今回は『ソニックマニア』という新作ソフトで厳密には『2』ではないんですが、プレイしていると当時の記憶が鮮やかに蘇ってきますね。『2』ではなく新作なのに、でも『2』をプレイしている不思議な気分というか、『2』なんだけど、でも見たことのない・味わったことのない新鮮な感覚。そんな印象を持ちました。

『2』において、ゾーン(ステージ)1は小手調べ=序章みたいなモンなので、『ソニックマニア』でもあっさりクリアして、ゾーン2のケミカルプラントへ。

じつは私が全2D版ソニックの中で一番好きなのが、このケミカルプラントステージだったりします。縦横無尽なマップ構成にステージ1以上のスピード感と爽快感。そしてマップの隅々にアイテムが隠されていて、プレイするたびに「こんなところにこんなアイテムが!」という驚き。スピードに乗って軽やかにステージクリアできるかと思いきや、じつは後半は繊細なコントローラーさばきが必要な絶妙なゲームデザイン。そして耳に残るリズミカルなBGM。本作『ソニックマニア』でもその気持ちよさは健在で、もうすべてが心地いい!もうケミカルプラントゾーンだけずっとプレイしていたいくらい。

いやいや、クリアしないとダメなので、とにかく右へ右へと突き進むと、突然ソニックがコクピットのようなところに座らされ、エッグマンと横並びに。あれ、なんだこれ?突然落ち物パズルのような画面になり、上部からは「つながった」物体が......。理解不能で戸惑いましたが、瞬時に理解!なんとステージ2のボス戦は、「ドクターエッグマンのミーンビーンマシン」対決!夜中の自室でひとりでプレイ中に、思わず「マジかこれ!」とリアルに叫んでしまいましたよ。

私のこんなレビューのこんなところまで読んでくれている人ならとっくにご存知かとは思いますが一応説明しておくと、『ドクターエッグマンのミーンビーンマシン』は『ぷよぷよ』の海外名で、ぷよぷよはドクターエッグマンが作ったロボットっていう設定なんですよね。なので、ここで「ぷよぷよ」対決は唐突なようでいて、じつにシックリ来るわけです。

ここでさらに補足しておくと、メガドライブ版『ぷよぷよ』は当時私がセガで所属していた企画制作部からリリースされたので、この海外版『ぷよぷよ』も開発ROMで仕事の合間にプレイしていた覚えがあります。いやあ、どんだけオレの思い出を呼び起こすんですか、この『ソニックマニア』はw

とまあ懐かしい思い出に浸りつつ、夢中になって『ソニックマニア』をプレイしている自分。そして、ふと気がつきました。「ああ、ゲームしているなあ」という充実感――。重厚な骨太ゲームもスマホで気軽に遊べるカジュアルゲームも、どちらも受け付けなくなってしまった私の身体には、まさに『ソニックマニア』はちょうど適していて、じつに気分良く遊べました。オレのように最近ゲームから遠ざかっていた方には本当にオススメです。

最後、私にこんな機会を与えてくれたセガの奥成くんには本当に大感謝です。ありがとね。

PS
以前、サターン用コントローラがPC周辺機として復刻したけど、ファイティングパッド6Bも蘇ってくれないかなあ、と密かな期待。


→杉森建氏のプレイインプレッション
→ポルノ鈴木氏のプレイインプレッション