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『マリオ&ソニック AT リオオリンピック™』(3DS版)発売記念!サウンドインタビュー[前編]

バテリアレコーディング

大谷 バテリアチームの収録はどのように進められたのですか?

床井 この収録の前年2014年の優勝チーム「Unidos Da Tijuca(チジュカ)」や 「Salgueiro(サウゲイロ)」の蒼々たるメンバーに、土台となるパートを1日で収録させて頂きました。1曲目にメインテーマからやってみたのですが、それなりに時間が掛かってしまったので、進め方を話し合いながらスピードアップして録っていった感じですね。

大谷 リズムのキメの部分ってどうやって決めたんですか?予め指定していたんですか?

床井 予め指定してるんだけど、後からそこだけを録っていく感じ。本当はキメにも色々なパターンがあるらしいんだけど一応曲に合ったものでみなさんやって頂いたので、それをパート毎にどんどん録っていく感じ。まずは基本パターンをズラーっと録っていった方が早いって事で、そういう進め方にしました。

大谷 基本パターンのところだけ先に録っておいて。合せるところは後から録るということですね。

床井 そうです。それが分かったら、トントンと収録が進んで行きましたね。ブラジルにはアシェ(AXE)って言うジャンルがあって、今回のメインテーマはそういった感じのジャンルになるらしくて。

中川 サンバをポップスナイズしたっていうジャンルになるんですけど。

大谷 そのアシェというジャンルになるとリズムのアプローチも何か変わるんですか?

床井 基本的なバテリアのリズムパターンがあって、それを膨らませていく感じ。まずはその曲を聴いてバテリアチームのリーダーがコレ、コレ、コレっていう感じでみんなに伝えてザンっと叩くんだけど、もう、一発でピッシリ合う。リーダーがパート毎にパターンっていうのをその場で決めちゃって、それを指示通り叩いていくっていう。もう決まると早い。リズムに独特の訛りみたいのがあって、拍のグリッド線に合う感じではないんだけど、なのに全員がぴったり合っているっていう。

大谷 その揺れ具合も合っているということですか?

床井 そう、揺れ具合がピシっと合ってる。

中川 揺れ具合は日本人では表現できないんじゃないかっていう独特さですし。

床井 アレは難しい。

大谷 どのあたりにリズムの揺れがあるのでしょう?

床井 どちらかというと重きを置くところは2拍目で、ブラジルの音楽は4分の2拍子の音楽なんですよ。で、それの2拍目がオンになるっていうか。ツッカ、ドン、ツッカ、ドンっていう音楽なので2拍目が訛るっていうか。1拍目は弱いんだけど、2拍目に重きを置いている。ミュージシャンみんな、2拍目でカウントしていると言うか、日本の音楽だとこう、1拍目でカウントしちゃいがちだけど、ブラジルの音楽では、2拍目でカウントを取るのでそこからもう、ノリが違う。

大谷 2拍目に行くまでが揺れているっていう、感じなんですかね?

床井 2拍も......これはなんとも説明しがたい。独特の訛りと言うか。これ難しいですよね。

大谷 そこにサンバのグルーブの秘密があるということですね。

"OK"のサイン

中川 リオの人達のいいところだと思ったのは、何かやりとりする度に"OK"って感じで親指を立てるんですよ。 これによって「うまく行ってるよ」ということを、ミュージシャン以外にも、街の人もみんなやるんですね。そういうところに、何ていうか"温かみ"を感じました。実際レコーディングでトラブるとブースにガーッと入って行って指揮者の人に譜面とか説明をしに行くんですけど、ひとしきり説明した後に相手が理解してくれた証に笑顔で"親指"をやってくれるので、「ああ、よかった」と。

床井 ちゃんと判りやすい意思表示を、全員がされてたので。

大谷 レコーディングでのコミュニケーションはとても重要なので、それは気持ちいいですね。


さて、すっかりブラジル気分になって頂けましたでしょうか?
3人での対談を収録してみたところ記事が長くなりすぎてしまいましたので、2週に分けて掲載させて頂くことになりました。「『マリオ&ソニック AT リオオリンピック™』(3DS版)発売記念!サウンドインタビュー[後編]」では、メインテーマの制作秘話、ゲーム中BGMの工夫などについて訊いていますので 是非チェックしてみて下さい!

ではまた!


→ニンテンドー3DS『マリオ&ソニック AT リオオリンピック™』公式サイト

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