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『マリオ&ソニック AT リオオリンピック™』(Wii U版)発売記念!サウンドインタビュー ACT 4

コンポーザー#5 大谷 智哉

大谷 私、ニンテンドー 3DS版のコラムで100mとサッカーの曲を担当させてもらっていることは紹介させて頂きましたが、実はもう1曲担当してるんです。

床井 そうですね。チームマリオが7名、チームソニックが7名、計14名のゲストキャラというのが存在していまして、チームソニックのなかに『ソニックトゥーン』で登場した「スティックス」が今回初めて入ることになったんです。

このキャラクターをイメージさせる曲が無いという事で、これは新規に起こさないといけないでしょうという話がありまして。この曲を作るのであれば、以降のスティックスが出てくるようなシチュエーションでも使える様な楽曲を作ってみてはどうかという事で、「ソニック」シリーズの音楽を長く担当している大谷に作ってもらおうかなぁと、相談させてもらったと。

大谷 なんでそこ僕に頼むんですかっ!って内心思っていました。

中川 えーそうなの!?何で!?

大谷 いやだって、スティックスというキャラクターはもちろん知ってますけど、『ソニックトゥーン』を担当していたわけではない、という意味では、僕も床井さんも対等な条件のはずですよ??と思って......。これまたずいぶんと難しいお題を振ってくれたなと(笑)。

床井 ここはぜひ大谷のセンスで!!って(笑)。

大谷 というわけで、まずは曲を作り始める前にリサーチする為、飯塚プロデューサーにスティックスがどんな子なのか聞きに行ったんです。その時に出てきたキーワードが、「ジャングル育ちの野生児」「ハチャメチャな非文化人」「ガラクタ集めが大好き」「明るい」「変なヤツ」「かわいい要素はいらない」などなど。

中川 まぁなんか「ジャングル」っていうのはブラジルに合いそうなキーワードじゃないですかね?

大谷 そうですね。「ジャングル育ちの野生児」というキーワードが、ブラジル音楽で使われそうな楽器構成で作れそうなアプローチではあるな、とは思いつつもキャラクターテーマなので、ノリの良い感じで行きたいなと思って、最初に作ったデモを飯塚さんに聴いてもらったところ、

「スティックスのイメージとは全然違う印象を受けました。」

という返事が......

中川 あーそうなの!?それは、どっち系なの?ジャンルで言うと何系とかなの?

大谷 ギターが入った8ビートのPOP ROCKでした。「ジャングル育ちの野生児」「ハチャメチャな非文化人」といったキーワードの打ち出しが足りなかったのだと思います。

床井 少しおとなしかったね。曲調的にもポップスでまとまっていた感じなので、はっちゃけた感じというか、もっとワイルドさが欲しいなと思ったのが第一印象でした。

大谷 そう言われてしまったので、新たに別な曲を作って提案するか、現状のメロディや構成は生かしつつアレンジで対応するか、どちらの作戦でいくか床井さんに相談したところ、アレンジで良いんじゃないと言ってくれたので、じゃあ、アレンジを変えてみましょうということになりました。

床井 純粋にそこの要素が欲しかったというところで、その楽器群をバーンと入れてそれを目立たせて欲しいなと。

パーカッション収録 空き缶をたたいたような音??

大谷 まずテンポとノリを大きく変更して、ジャングル感のあるリズムパターンにしました。その他の楽器構成も全て変えて、ホーンセクションや、ちょっと変テコな感じのラグタイム風ピアノ、オルガンソロ、カリンバなどフレーズを加えつつ、各種パーカッションもにぎやかに詰め込みました。そのバージョン2を飯塚さんに聴いてもらったところ、「全般的にスティックスの曲になったと思います!」という良い返事をもらえました。さらに飯塚さんから「空き缶をたたいたような音」を追加出来ますか?と提案がありまして。わかりましたよ、入れればいいんでしょと。

中川 ははは、何その投げやりな。曲がりなりにもプロデューサー相手だよ。

大谷 冗談ですよ(笑)。確かに、パーカッションの一要素として、アリだなと思いました。

中川 アイデアとしては面白い。ストンプみたいな。

床井 もう少しハチャメチャ感が欲しかったみたいだね。

大谷 まさに、ガラクタをカンカンたたいてるというような感じですね。

中川 それは自分で収録したの?

大谷 デモでは缶をたたく音のサンプルを並べてイメージを作っておいて、最終的にはパーカッション奏者の方に、それこそペンキの缶みたいな物を持ってきてもらって、それをたたいて録音していきました。

ドラム、パーカッション奏者の宮川剛さんに持ち込んで頂いた楽器?の数々。これらのサウンドが「スティックスのテーマ」の曲中に散りばめられています。

床井 まさにスティックスが集めそうな感じの。

大谷 そうなんです。そんなこんなで、録音を終えた最終版を聴いてもらって「スティックスらしい良い曲だと思います!」と言ってもらえたので本当に良かったです。スティックスは変なヤツではあるんですが、ある意味ではピュアとも言えると思ったので、そんな感じのメロディになっています。自分的にもお気に入りの1曲になりました。

大谷 ちなみにこの曲、ゲームの中ではどうやって聴けるんですか?条件とかあるんですか?

中川 ヒントは?ヒント。

床井 大会をどんどん勝ち進めて“狙いが定まって”行くと......会えるかもね!?

大谷 キャラクターに会えると聴けるんですか?

床井 そう。ゲストが登場すると登場ジングルが聴けて、実際に対戦する時に、そのキャラクターに由来する楽曲が流れます。それは進めていかないと出てこないので、大会をドンドン勝ち進めて行って頂きたいです。

メッセージ

大谷 それにしてもみんなに語ってもらったら、トタールでかなりのボリュームになってしまいましたね。まさかACT 4までに行くとは思いませんでした。そろそろまとめたいのですが、床井さん、代表して最後にメッセージをお願い出来ますでしょうか。

床井 いやー、凄いボリュームでしたね(笑)。ニンテンドー3DS版に引き続きまして、今回のWii U版のサウンドインタビューをご覧頂き本当に有り難うございました。作曲者全員を交えてのサウンドインタビューを行う事はなかなか無いので、本当に良い機会を頂きました。スタッフ全員、悩んだり苦労する中で自分なりの表現に拘って制作させて頂いたこと、少しでも感じて頂けたら光栄です。まだまだご紹介出来なかった競技が目白押しだったり、その他にも「ヒーロー決戦」や「ゴースト対戦」、楽しいモードや楽曲も盛りだくさんです。プライズ曲も「BGM切り替え」で楽しめますよ!タイムや点数をストイックに狙うもよし、お友達やご家族の皆さんでワイワイ、パーティー感覚で競うもよし、是非この『マリオ&ソニックAT リオオリンピック™』を存分に遊び倒して頂けたらうれしいです。

大谷 ありがとうございました。

Wii U版サウンドインタビューいかがでしたか?このサウンドコラム、通常は1回、3,000字平均なのですが、今回は20,000字超えにまで膨れ上がってしまったため、全4回に分けて掲載させて頂きました。このサウンドコラムを読んで、ゲームに興味を持ってもらえたらうれしいですし、既にゲームを遊んで頂いている方は、コラム内で語られていたサウンドの注目ポイントなど、ゲーム内でチェックしてもらえると、さらに楽しくなること間違いなしです。

ではまた!

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