『ソニックライダーズ シューティングスターストーリー』メイキング・オブ・ソニックライダーズ

ソニックライダーズ シューティングスターストーリー

第3回 開発当時を振り返る3【CGムービー編】

このコーナーでは皆さんに『ソニックライダーズ』をさらに楽しんでもらうために、ゲームプレイだけでは知り得なかった設定やコンセプトアートなどをご紹介!
開発当時の裏話や制作秘話を交えて、盛りだくさんの情報を公開していきます!

第3回目はゲーム中のストーリーを映像化したCGムービーを担当した方にお話を聞いてみました。

今作のムービーについて紹介してください

プリレンダームービーのディレクションを担当しました。
メガドライブの頃からソニックのファンだったのでムービーを最初から担当できるという事はとても嬉しい事でした。

まずはソニックライダーズのCGムービー制作の現場を詳しく知ってもらうために制作開始から完成までの流れを2つのカットを使って紹介しちゃいます!

絵コンテ

  • 脚本を元に映像の設計図となる絵コンテを描き起こす。カット割りや、キャラの動き、セリフなどムービー作成に必要な要素が盛り込まれています。この段階でほぼ完成形が出来上がったも同然。

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イメージボード

  • 絵コンテから、主なカットのイメージを具体化していくために構図やカラーを決めていく材料を作っていきます。完成のイメージが伝えやすく次のモデル作業もスムーズに行えるのでとても重宝します。

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アニマティクス

  • イメージボードを参考にしながら大まかな動きが分かるようにモデルにあたりとなる動きを付けていく。 右の画像のようにワイヤーフレームの状態で確認したりもっと簡素なモデルを置いてみることもあります。

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製品版

  • ライティング、エフェクト、モーションなど全て揃ってやっと完成する。

こだわった点は?

ゲームのストーリーをいかに面白く、楽しく、映像で伝えるかが、こだわった点です。
オープニングは駆け足気味で早いテンポですが、レースゲームをやる前に、あんまり長いムービーは見たくないだろうと考えて、長くならないように心がけました。
エンディングも、見終わった後、レースゲームらしい爽快感が残るように、工夫しました。

オープニング

  • セキュリティロボに追われてエアカーで逃げているシーン。めまぐるしく変わるカットと、スピード感のあるカメラワークが見どころ。
  • メガロステーションから飛び出してきたソニックたち。爆発の破片や勢い良く落ちてくるソニックを見上げたアングルで捕らえているため迫力あるシーンになっている。

エンディング

  • 今や宿命のライバルとなったソニックとジェット。エクストリームギアに乗ったアクションはカッコ良くスピーディーにみせるのがポイント。
  • ソニックの後を追ってきたジェット。お互いがにらみ合い次の戦いへのスタートとなるのか?次のレースへと期待させるようなシーンだ。

楽しかったことや苦しかったことなど。

ゲーム開発初期から関われた事、各スタッフが協力して、だんだんと映像が出来上がっていくのは楽しいところです。
毎週のようにムービー制作のアニマロイドさんにミーティングに行きました。
信頼できる人に現場を任せられたので、とても楽しく仕事が出来ました。
苦しかったのは、ムービーを作る上で、ゲームが出来上がらないと見えない部分がどうしてもある事です。
あと、エンディングはソニックがエアカーを運転している設定を考えて、絵コンテを描いていたのですが、
「ソニックは車を運転しません!むしろ車に乗せたくないぐらいです。車に乗るぐらいなら走ったほうがいいというキャラなんです!」 ・・・と聞いて、まぁ、ソニックは長い時間をかけて育てられてきたキャラなので、そういう、細かい設定があるわけですが、 その時、絵コンテを描き直すまでが辛かったですね(笑)。

ムービー制作に必要な素材

エンディングの運転シーン

  • これが問題の運転シーンの絵コンテ。テイルスが運転をしてその横で退屈そうにふんぞり返っているソニック。対照的なキャラだ。後部座席にはエミーもチラッとみえます。

みどころは?

いろいろな事が詰め込んでありますので、全て、と言いたいです。
特に終盤のエフェクト満載のムービーは見ごたえあると思います。
ロボットのシーンのいくつかは、ウィルスミス主演の「アイロボット」という映画のオマージュになっています。

エフェクト満載のシーン

  • 映像を派手に演出するには欠かせないエフェクト。エフェクトの良し悪しで完成度が左右すると言っても過言ではないくらい重要な要素。今回のムービーもエフェクトのおかげでインパクトのあるシーンがいくつも出来上がっている。

ロボットのシーン

  • 映画「アイロボット」を観ている人にはそれとなく感じるところがあるかもしれません。

印象に残った開発中のエピソード

最初にムービーのルックや雰囲気を固めるために、イラストレーターの獅子猿さんに3枚イメージイラストを描いていただいたのですが、それが良い出来で、リテイクの必要が無いぐらい世界観をとらえていて、とても嬉しかったです。終盤のエフェクト満載のムービーはかなり難しいだろうなと最初から心配していたのですが、私が思っていた以上のクオリティーで上がり、とても満足しています。

イメージイラスト(獅子猿さん)

  • イラストレーターの「獅子猿」さんに制作初期に描いて頂いたイメージイラスト。躍動感あるキャラクターのポーズと迫力の構図はさすが!といったところ。これが映像の中へと受け継がれているのか!!

ファンの皆さんに一言!

今回のCGムービーは前作以上に制作に力が入っており、とてもクオリティの高いCGムービーに仕上がっています。
またゲーム中とは違ったソニック達の表情や活躍が見られますので、是非オープニングムービーだけでなく、エンディングムービーまでご堪能下さい。

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