ソレアナ通信
『SONIC THE HEDGEHOG』ディレクターによるコラム

SONIC THE HEDGEHOG

第2回 タイトルは『SONIC THE HEDGEHOG』

なぜ『SONIC THE HEDGEHOG』というタイトルなのか?

みなさんこんにちは。
今回は、ゲームのタイトルについてお話しさせていただきます。

なぜ『SONIC THE HEDGEHOG』なのか?これは様々な人からよく聞かれます。

15周年なので原点に回帰し、ソニックのスピード感とそのクールさに立ち戻って…このようなことを何度も何度も答えてきました。

確かに15周年というのはありました。15年もキャラクターが人気を保ってきたというのは非常にすごいことです。ゲーム業界の中でもそういうキャラクターは少ないと思います。

ただ、それだけではなく心の中にはこういう気持ちがあったのです。 このままでいいのだろうか?次世代機という新しいハードで、遊んでくれる人が単なる続編で満足するだろうか?次世代機、いや強いてはゲームに未来を感じてもらえるだろうか?ソニックの未来って?

だからこそこれは、ソニックの原点に立ち戻らないと。ソニックという物の本質をしっかりと見つめなおしていかないと。15年評価されてきたことを、あらためて見直さないと。

タイトルは『SONIC THE HEDGEHOG』

ということで、原点に返って、ソニックのよさを見直そう、最初のインパクトを取り戻そうってことで 『SONIC THE HEDGEHOG』というタイトルをつけたんです。これはかなりの決断でしたね。

とはいえ、最初から企画書には『SONIC THE HEDGEHOG』って書いてたりはしたんですが…

さて、ソニックの原点とは何だろう?

皆さんは、ソニックの原点は何だと思いますか?よく「ソニックは2Dだろ?」とかって海外の方には言われます。まま、確かにそうなんですが…

やっぱりソニックといえば…スピードですよね?目の覚めるようなスピード。

実際今までのシリーズでもすごく速いんです。ほかのアクションゲームと比べると何倍ものスピードで地形を走破している。すごくすごく長い距離の地形を作って、そこを一瞬で駆け抜ける。

むこうの方に見えるコースも走るんです

そして、画面写真を見てもらうとわかると思いますが、次世代機ということで背景にもかなり力をいれております。法線マップやシェーダーもつかって…とにかくいろいろ大変です。これ以上速くして、地形が広くなると、ただでさえ次世代で大変になったのにどうなっちゃうの?

でも、ソニックは次世代の速さを手に入れないと…昨年のE3のときに、ソニックの次世代デモってのをやったんですが、そのときに出したデモを実際にゲーム中にプレイできてこそ次世代のソニックだよなと。

ということで、通常の速度の数倍のスピードで走れるように作ったのが超高速モードです。ソニックの速さのみにこだわった今までとは違うモードです。イメージ的には、「うぉー」っていいながら直滑降しているような?そんなイメージです。ほんとうはこれを体感してもらうのが一番だと思いますが、まずはちょっと短いムービーを用意しました。

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いかがですか?少しはこのスピード感が伝わったでしょうか。 是非、大きなHDテレビでプレイしてください。次世代最速のソニックを十二分に感じてもらえるかと思います。

そして、もうひとつソニックの原点、「クールなキャラクター」についてお話ししようかと思ったんですが、ちょっと長くなってしまったので、今回はこれでおしまい。
次のソレアナ通信では、ソニックのもうひとつの原点、クールさについて触れたいと思っています。

ということで次回をお楽しみに!

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中村俊

1997年セガ入社
『ソニックR』、『ソニックアドベンチャー』に参加後、『サンバDEアミーゴ』『ジャイアントエッグ』などのディレクターを務める。