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SEGA-SAMMY GROUP

クリエーターズ インタビュー

010:中村 俊

ゲームの文化的なものとしての地位を押し上げていきたい

プロジェクトを進める上で、何が一番大変でしたか?
どんなところで苦労されましたでしょうか?

プロジェクトの規模がかなり大きかったこともあり、人が続々入ってきたので、まずその人の顔と名前を覚えるのが大変でした(笑)。

また、次世代機ということで、新しい技術を検証したり、データ量がものすごく増える分やることも多いので製作期間も すごくかかるんですよ。
最初は、箱を物理エンジンで動かしたり、新しいビジュアル表現に喜んでいたりしたのですが、甘かったですね。その先にもいろいろとやることが発生して、その見積もりの甘さからプロジェクトメンバーには何かと迷惑をかけてしまったと思っています。

プロジェクト進行中、うれしかったことはどんなことですか?

いろいろあるのですが、やっぱり実際にソニックを触ってもらったときのお客さんの反応を見たときですね。

特にアメリカのE3というイベントで今作を始めて発表した時に、外人さんが「COOL!」と言いながら同じステージしかないのに何度もプレイをしてくれるのを見たときとか、東京ゲームショウでは当日の朝まで必死に製作していた体験版をたくさんのお客さんが列を作ってプレイしてくれたり。

そういうところを見たときはやっぱりすごくうれしいですし、やっていて良かったと思いました。

それと、最近ようやく休暇が取れたので海外に行ったのですが、そこでもたくさんのソニックが陳列されていて、それを買っている人を見たときもすごく感慨深いものがありました。

このゲームを通してプレイヤーのみなさんに何か伝えたいことはありますか?

そうですね。やっぱりソニックといえばスピードですから、そこの部分を楽しんでほしいですね。

今回は、超高速モードという新しいモードもあります。
ソニックにとっては当たり前の世界ですが、われわれにとっては震えるようなスピードを体感できる、数少ない機会なので(笑)。

中村さん個人のこともお伺いしたいと思います。
セガに入ったきっかけ、動機などを教えていただけますでしょうか?

もともと、ゲーム会社という意識はなくって、最初の就職活動では全然別の業界で内定を頂いていたんですが、どうしてもその仕事自体に楽しみを見出せないなと思うようになってしまい、結局その内定は辞退させていただいて就職浪人をしたんです。

で、それこそいろいろな業界を回りまくって、面接を受けまくって、セガも受けてみたんです。

最初は、開発っていうつもりもありませんでしたし、“営業”の欄に丸印をしていました。
すると、横に“企画”っていう欄があって。
これはなんだ?面白そうじゃないか?ということで、最初に丸を付けた“営業”のところを上からバツして(笑)。
“企画“に丸をしなおして、受けてみたんです。

そしたら、その後トントン拍子に進み、なんと受かってしまいまして。
面白そうだから入ってやってみようじゃないかということになったのです。

セガに入って、どのようなことがやりたいと思っていましたか?

当時、ゲームってコアな人がやっているという印象が強かったんです。RPGとか、格闘ゲームとか。
もっと、一般の人が、ライトな気持ちで遊べるようなものを作っていきたいと思っていました。

海外では、ゲームも、アニメと同様に文化的なものとして認知してもらえているのに、日本ではまだまだ地位が低いと感じていまして。

もっと、ゲームが文化的なものとしての地位を押し上げていければいいなと思っていて、これからもそういうゲームを作っていきたいと思っています。


おたのしみ