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SEGA-SAMMY GROUP

クリエーターズ インタビュー

011:岸本 守央&須永 江身子

Wiiリモコン使った新しい操作感覚

プロジェクトを進める上で、何が一番大変でしたか?
 どんなところで苦労されましたでしょうか?

岸本:

僕は、セガに転籍して、初のプロジェクトということで大変づくしだったかなー(笑)。家庭用ゲームの開発も初。まず、こちらの開発の文化に慣れるのが自分にとっての課題でしたね。

ソニックに関しては、「なんで今まで作ってきて、ここは変わらないのか?」とか、いろんな部分の疑問も絶えませんでした。でも、それは今までソニックの歴史の進化の流れの中での必然だったりするんです。なかなかそれを理解するのが難しかったですね。

あと、小川ディレクター(以下、小川D)も大変でした(笑)。

ゲームの企画に対して、本当に厳しい人なんです。
何かアイディアをもっていっても、100本ノック。十中八九、たいがい通らない。
プロジェクトの最初のころは、
「小川道場に行ってきます!」
と言って、みんな気合を入れて小川D席に向かったものです。
そして、投げられて帰ってくる(笑)。

須永:

私が大変だったところは、セット(ステージのフィールド内に障害物やアイテムなどのオブジェクトを配置する作業)ですね。
セットの極意を知っている人がやるといいけど、最初のころは自分の中に経験がなかったため、大変でした…。

同じステージでも、セットする人によって思想とセンスが違うので、ステージの印象がまったく変わる。面白さ、爽快感が全然違うんです。こんなに変わるものなのだと驚愕しました。
思うようにいかなくて、涙を流した日もあります…。

岸本:

あー、僕も若い頃、思うように結果が出せなかった自分が悔しくて悔しくて、トイレ行って泣いたことあるー(笑)。

プロジェクト進行中、うれしかったことはどんなことですか?

岸本:

やはり、憧れのソニックの制作に携われたというのが一番ですねー!
『ソニックと秘密のリング』チームは、セガスタジオUSA帰りの人たちが多いんですよ。その方達と関わって一緒に作ることができたのが、何事にも代えがたい経験でした。そういう経験がしたくて僕はソニックチームに来たので。
本当にうれしいですよ。希望が叶ってしまったんだもの!
もちろん、意見が対立することも多かったわけですが、僕はそういうことがしたかったんです。

あとですね、この間、ゲームショップに寄ったら『ソニックと秘密のリング』のポップが飾ってあって、それがすごくうれしかったです(笑顔)。いままでアーケードの仕事だったので、ポップを飾ってもらったりっていう経験がなかったんです。すっげーうれしかった(満面の笑み)。

須永:

ソニックタイトルのチームに入れさせて下さいと言ってはみたけれど、内心は不安でいっぱいでした。本当に私にできるのだろうかと。あるとき、ステージを丸々1個任されることになって、仕様を決めて発注したあとで、デザイナーが上げてきたステージを見たときはすごくうれしかったです。やり遂げることが出来たって。

あと、先日ヨーロッパに出張に行ってきたのですが、ドイツでの雑誌の評価がとても良かったんです。ゲーム雑誌のレビューで、5点中4.5点だったんです。これを見た時は素直にうれしかったですね。

このゲームを通してプレイヤーのみなさんに何か伝えたいことはありますか?

岸本:

Wiiリモコン使った新しい操作感覚を是非体験していただきたい!本の中に入ったアラビアンナイトの新しい世界観も新鮮だと思いますよ。いままでのソニックとは違った、レベルアップ、スキルアップ、やり込み要素… 
パーティーモードも、それだけで1つのゲームになるボリュームなので、長い間遊べるゲームになると思います!いっぱい遊べるのがウリでもあるので!

今作品で、一番個人的に追求したのは…
ソニックはどうしても走るスピードが速いので大味になりがちなところがあると思っていたんです。作り方によっては、アバウトになりやすいところがあると。グルーン!とループを回ったりも気持ち良くていいんだけど、今作品ではさらにその中で深くやり込める部分を追求しました。

間口は広く。リモコンのアバウトな操作で、子供でも楽しく遊べるようになっています。
でも、実はどんどん深く遊ぶことによってソニックが要求してくる操作の密度が変わってくるんです。
でもマップが難しいとかって意味じゃありませんから安心して下さい。 その要求に応えることで全く別の動きをするソニックが現れます。
そこを是非見つけて遊んでほしいです!

須永:

ステージは8つ。各ステージ大体12個のミッションがあります。ミッションごとに色々なプランナーがそれぞれの思いをこめて調整したので、同じステージでもミッションによって遊びのバリエーションやカラーや深さが違うんです。
ミッションのバリエーションを楽しむためにも、ストーリーをクリアするだけじゃなく、ストーリーのクリア後に開くミッションを遊んだり、各ミッションのゴールドメダルを目指したり、隠されているファイヤーソウルを探したりして、是非やりこんでほしいです!


おたのしみ