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SEGA-SAMMY GROUP

クリエーターズ インタビュー

004:長沼 英樹

「ソニックを長沼君がやったら面白いんじゃないか」

『ソニック ラッシュ』のお仕事は、どういう経緯で長沼さんにお話しがきたのでしょうか?

『ソニック ラッシュ』のパッケージもともとは他の方が担当の候補に挙がっていたそうなのですが、
自分は良く知りませんが諸事情により、別のサウンドディレクターに話がいって、
その方が
「ソニックを長沼君がやったら面白いんじゃないか」
と言ってくれた事がきっかけで、自分の所に話しが回ってきました。

他の仕事も抱えていたのでスケジュールは既にカツカツだったのですが、
「ソニック タイトル」は前から一度やってみたいと思っていましたし、
こんなチャンスが次いつ来るかもわからないし、
「よし、ヤロウ!」と、お仕事を引き受ける決意をしました。

当時の状況から考えると、かなりの一大決心でした。

『ソニック ラッシュ』のお仕事中、苦労されたことなどありますか?

時間が非常に少なかった事と、
内蔵音源でいわゆるジェットサウンドというか長沼サウンドをやったのは初めてで、
しかも携帯ゲームなので1曲に使える容量はたったの○○○kというレベルで、
そこが一番の苦労でもあり、チャレンジでしたね。

『ソニック ラッシュ』のお仕事中、思い出深い出来事などありましたらお聞かせいただけますか?

最初に核というかメインのイメージとなるクールな曲を2,3曲作って、OKが出てからは、
歌謡曲風あり、民族テイストあり、スカありと、なんでもあり状態になって、
自分の引き出しからいろんな要素を引っ張り出して、楽しみながら作れました。

あとは、打ち合わせと打ち上げで大阪に行けて、
その帰りに京都に寄って隠れた名所に行ったり、新しい知人ができた事です。
天下一品の本店にも行ってきました。(笑)

長沼さんのサウンドは、どのようなプロセスを経て制作されているのでしょうか?

基本は全てMac (マッキントッシュ)で作ります。

まずは楽曲のキー(主役)となるもののアイデアを作ります。
これはギターリフだったり、
ファンキーなベースラインだったり、ドラムだったり、
ボーカルだったりと曲によって様々です。

それが出来たら、ドラムトラックやベーストラック等、
曲の骨格となるものから作り固めていきます。
その後、ギターのカッティングやシンセ等のコード、
上物を乗せていきます。

そしてコンピュータ内のそれぞれのトラック(大体32~48ch)をパラアウト(別々)でデジタルミキサーへ送り、
各トラックにEQ(イコライザー:音の低域・中域・高域を 上げたり下げたり、もしくは カットしたりするもの)
やエフェクトを掛けてお化粧をし、音量のバランスを整え、
最終的には2ch(2チャンネル:ステレオトラック)のマスターレコーダーで録音します。


おたのしみ