「クリエイターズ インタビュー」 第15回目は、
ソニックタイトルのローカライズサポートを担当している武内 彩を紹介!
プロフィール:
武内 彩(たけうち あや)
セガ/欧米CS事業部/欧米事業推進部/欧米プロジェクト管理チーム
2004年セガ入社
『Sonic Riders』(GC,PS2,Xbox)
『Sonic The Hedgehog』(PS3・Xbox360)
『Sonic and the Secret Rings』(Wii)などのソニックタイトルのローカライズサポートを担当
今回は、ソニックタイトルのローカライズサポートを担当している武内さんにお話を伺いたいと思います。
まず、どのようなお仕事なのかご説明していただけますか?
はい。まず、“ローカライズ”という言葉には「現地に適応させる」という意味があります。
私のほうでは、日本で開発されたゲームを海外で売るにあたって、海外と日本(開発)をつなぐ仕事をしています。
例えば、ゲーム内のテキスト1つをとっても、英語だけでなく、そのほかの言語に対応させる必要がありますし、マーケティングプランやイベントも各国の現地の考えがありますので、それに応じて色々な素材を用意する必要があります。こういった、各国の現地と開発(日本)の間に入ってその手配をするのが私の仕事の1つです。
また、海外の現地担当者とTV会議で打ち合わせを行ったり、海外でのインタビューの際に通訳が必要になると、プロデューサーやディレクターに同行して通訳を行ったりしますが、とくに重要な仕事は、開発の進行度合いやスケジュールの状態をこまめに把握しながら、密に現地の担当者と連絡を取って、世界中で同時に現状の意思統一を図っていく部分です。
海外とTV会議! どのような時に、どのように行うのでしょうか?
海外とのやり取りは時差も物理的な距離もあるので、現地の担当者と直接話をするのはなかなか困難です。
ついメールで済ませてしまいがちになりますが、この仕事で大事なところは直接コミュニケーションをはかることなのではないかと思っています。それに、現地の担当者に日本でどのような人がゲームを作っているのかを知ってもらいたいので、文化や言葉の違いはあるにせよ、直接的なコミュニケーションをはかることはお互いの理解にもつながると思っています。
1週間でも色々と状況は変わりますし、情報が更新されたりするのでその確認や連絡を行うことは重要です。
電話会議やTV会議は、できるだけ定期的に(1週間に1度くらい)行うようにしています。
顔を合わせることによってお互いの状態や様子も分かるので、一緒にプロジェクトを進めていく上では定期的にTV会議などを行うのはとても大事だと感じています。
電話会議は普通の電話と同じで電話番号を入力して、通話ボタンを押します。
受話器がある代わりに、機械に3つのマイクがついているのでそこに向かって話し掛けます。
TV会議については、電話のように相手の番号にダイアルをします。マイクは別に(灰色の三角)ありますが、
TVモニターの上にあるカメラの方を向いて話します。
武内さんは海外に行かれることも多いのですか?海外に行くときはどのようなお仕事をなさっているのでしょうか?
海外でのイベントへの参加や、開発中タイトルに関する打ち合わせが必要な場合に、開発の方と一緒に海外へ行きます。特に海外でのイベントでは海外メディアからインタビュー依頼を沢山頂いたりするので、その際は通訳を行います。
開発しているのは日本ではありますが、実際は海外で売るとなると海外の市場やニーズに沿う形で色々な調整が発生してきます。例えば、店頭での陳列の仕方1つを取っても国や地域によって全く異なるので、開発の方と一緒に現地に行って見て回るのも大事な仕事の1つなのです。
海外に行く回数は、年に3~4回くらいですね。基本は一週間くらいのスケジュールで行きますが、短いときは3~4日というハードスケジュールのときもあります。
海外でのソニックの反響はいかがでしょうか?
ソニックタイトルを担当してから驚かされたのは、海外でのソニックの圧倒的な人気です。
セガ = ソニック という認識は沢山の方に持って頂いているようです。それだけとても期待されているということでもあるので、どのような形でキャラクターやゲームのことをアピールしていくかなど、キャラクターの印象にかかわる部分については日本のみならず海外でも慎重に行う必要があります。
「速くなければソニックじゃない」
といった具合に、“ソニックらしさ“というものが海外ではとても求めてられています。言葉づかいに関しても細かくチェックが入ります。ソニックは女の子に対してこんなこと言うキャラクターじゃないよ、とか。
海外に確認に出すと、セリフも変わっていったり、修正が入ったりする場合があります。
そんな“ソニックらしさ”を失うことなく、より多くの人にソニックを知って頂きたい。そんな気持ちで海外の担当者と日々連携をとり、どのようにしたらもっとユーザーの方の層を広げられるかが課題の1つです。