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SEGA-SAMMY GROUP

クリエイターズ インタビュー

026:大橋 修

「クリエイターズ インタビュー」 第26回目は、
『マリオ&ソニック AT 北京オリンピックTMでプロデューサーを担当した大橋 修(おおはし おさむ)を紹介!

プロフィール:
大橋 修(おおはし おさむ)
セガ/第二CS研究開発部 第三企画セクション マネージャー
『Jリーグプロサッカークラブをつくろう!』(SS)/メインプランナー
『デイトナUSAサーキットエディション』(SS)/メインプランナー
『Jリーグ プロサッカークラブをつくろう!2』(SS)/ディレクター
『Jリーグ プロサッカークラブをつくろう! 』(DC)/ディレクター
『Jリーグ プロサッカークラブをつくろう!'04』(PS2)/プロデューサー
『プロサッカークラブをつくろう!ヨーロッパチャンピオンシップ』(PS2)/プロデューサー
『Jリーグ プロサッカークラブをつくろう!5』(PS2)/プロデューサー
『マリオ&ソニック AT 北京オリンピックTM[発売元:任天堂](Wii/DS)/プロデューサー

「マリオ」と「ソニック」、夢の競演が遂に実現!

今回は、2007年11月22日にWii版、2008年1月17日にニンテンドーDS版が発売されました『マリオ&ソニック AT 北京オリンピックTM』(以下『マリソニ』)プロデューサーの大橋さんにお話しを伺いたいと思います。
まず、今回のタイトルでの大橋さんの役割、お仕事内容について教えていただけますか?

非常に多岐にわたっていたので説明が難しいのですが、すごく簡単に言いますと…。

一つは開発方針を決定し、開発チームとどういうゲームにするかを決定すること。

そして決定した方針、ゲーム概要を元に任天堂さんとオリンピック委員会に対して内容を説明し、問題がある箇所は修正指示を、良い提案をいただけた場合にはゲームに反映する指示を開発チームに伝えるなど、ゲーム制作を全体的に統括していました。

もう一つは、北米や欧州にも提供するタイトルですので、アメリカ、ヨーロッパのセガスタッフからの要望を聞いてゲームに反映したり、言語対応のための協力を依頼したりするなど開発を進める上での様々な環境を整えたりといった仕事。

それ以外にも、宣伝活動をする為の素材の準備などもしていました。基本的に今回のプロジェクトで何かあればまずは私のところに情報が来て、それを基に対応するスタッフに仕事を割り振っていました。

こうやって改めて説明すると、指示だけ出して何にもしてないようですが…。色々とやってます、多分(笑)。

今回のプロジェクトでは、任天堂を代表するキャラクター「マリオ」と、セガを代表するキャラクター「ソニック」が夢の競演を果すこととなりました。『マリソニ』を作るようになった経緯、プロデューサーを大橋さんが担当することになったいきさつをお聞かせ願えますか?

まず、セガがオリンピックのライセンスを取得しました。そのことを受けて、“スポーツタイトル”ということもあり、私の所属していたスポーツデザイン研究開発部で制作することを打診されました。

その際に、スポーツ全般に知識があるということで私に声がかかり、あまり深く考えずに引き受けました(笑)。オリンピックというと色んな種目があるので、一つのスポーツにものすごく詳しいというより、幅広くそこそこ知っているというところがポイントだったのかと思います。

受けた時点ではまだ任天堂さんとコラボレーションするお話が決まっていなかったので、任天堂さんにマリオキャラクター登場の許可をもらうところからのスタートとなりました。

TM IOC. Copyright (c) 2007 International Olympic Committee (“IOC”). All rights reserved.
SUPER MARIO characters (c) NINTENDO. SONIC THE HEDGEHOG characters (c) SEGA.

今まで違うゲームの世界で活躍していた、「マリオ」ファミリーのキャラクター、「ソニック」ファミリーのキャラクターを同時に扱うのは、色々と難しい問題が山積みだったのではないかと思います。キャラクターを扱う上でのご苦労などありましたらお聞かせ下さい。

正直、凄く問題山積みでした(笑)。

まず、マリオにしてもソニックにしてもしっかりとした設定があり、イメージも確立されたキャラクター達ですので、そもそも同じステージに存在して良いのかというところから問題でした。

幸い、今回はマリオの世界観でもソニックの世界観でもない“オリンピック“という舞台が用意できたことで、このキャラクター達が同じ舞台に立つことができました。

オリンピックという舞台がなければコラボレーションできていなかったと思います。

その他にも水泳するのにマリオはオーバーオールでよいのか?、ソニックはそもそも裸で水着着用すべきなのか?など、各キャラクターの個性がはっきりしているために起こる問題を、一つ一つ任天堂さん、ソニックチームに相談してゲーム制作を進めていきました。

ソニックがライフジャケットをつけて水泳の競技に参加したこともなかなかセンセーショナルでした!ライフジャケットをつけてまで水泳に参加することになったことの、エピソードなども教えていただけるとうれしいです。

最初にソニックチームと相談をした時には、「ソニックは泳げないキャラクターなので水泳には出場できない」ということでした。

しかし、オリンピックで水泳といえば花形競技。ですので、ゲームとしては絶対に水泳を採用したいと思っていました。ソニックだけ水泳に参加できないゲームにするわけにもいきませんので、ソニックには少々格好悪くて申し訳ないのですが、浮き輪などを付けてでも参加させたいという話をソニックチームに相談しました。

そして、最終的に、ソニックチームからの「ライフジャケットを着用すれば競技に参加しても良い」という提案を受け、ライフジャケット着用のソニックが登場することになりました。

というわけで、ソニックは「ライフジャケットを着用して水中を走りながら泳いでいる」という設定になっています。


おたのしみ