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クリエーターズ インタビュー

025:井上 雅之

「クリエイターズ インタビュー」 第25回目は、
プランニングセクションの井上 雅之を紹介!

プロフィール:
井上 雅之(いのうえ まさゆき)
セガ/第一GE研究開発部/プランニングセクション
『Kunoichi』(PS2): 敵・オブジェクトセット
『SONIC THE HEDGEHOG』(PS3,Xbox 360):レベルデザイン、イベント
『ソニック ワールドアドベンチャー』:昼パートレベルデザイン、ボスなど

挑戦するスピリッツ

今回は、2008年度に入社6年目になりました、プランニングセクションの井上さんにお話を伺いたいと思います。
今回はゲーム業界を目指す方のためのリクルート的な話も交えて、部内の様子やアドバイス等もお願いしました。では、まず最初に、井上さんが今までどのようなお仕事をしてきたか、簡単にご説明いただけますでしょうか?

井上です。よろしくお願いいたします。

これまでの仕事で関わった代表的なタイトルと、そこではどんな仕事をしていたかを説明しますね。

『Kunoichi』

『Kunoichi』はセガに入社して最初に配属されたプロジェクトです。

このプロジェクトでは、ステージ中に敵やアイテムなどを配置していく作業をしていました。お客様に具体的な遊びを提示できるという点で、作業は大変でしたが、非常にやりがいのある仕事だったと思います。”おまけモード”を作るときに「空中100殺陣がやりたい!」という提案をして、実際に採用してもらえたのがとても嬉しかったですね。

『SONIC THE HEDGEHOG』

『SONIC THE HEDGEHOG』ではレベルデザイン(マップと遊びを設計すること)とゲーム中のイベント関連業務(サウンド、字幕、その他)を担当しました。

この頃、GE1研(第一GE研究開発部)に異動してきたばかりでしたので、まず「ソニックとはなんぞや」というところをつかむのに非常に苦労した覚えがあります。私自身は、まだまだ未熟ではあったのですが、本タイトルが目指していたスペクタクル感やダイナミズムについては、ある程度実現できたんじゃないかなと思います。

そして、現在はソニックの新作タイトルを制作中です。

井上さんの所属する部署では、ゲームタイトルの制作作業以外では、どのようなお仕事、役割があるのでしょうか?

・ゲームソフトライブラリ係

制作業務以外では、部内でのゲームソフトライブラリの運営をまかされています。
この「ゲームソフトライブラリ」というのは、資料用として保管している大量のゲームのことで、社員が好きなときに見ることができるものです。このほかに、書籍や雑誌、部署によっては映像などが管理されており、それらも自由に見ることができます。主に、最新の傾向の分析に使うことが多いです。

私が担当になるまでは、棚に全てのゲームが並べてあって、借りる時は貸し出しノートに自己申告という方式だったんですね。そうすると、いつのまにか行方不明になってしまうゲームが多かったんです。また、棚の中から借りたいゲームをすぐに見つけるのが難しいという問題もありました。

そこで、全てのゲームを棚卸しするとともにディスクを抜いて一元管理し、私の貸し出し処理を受けないと借りられないような仕組みを整えました。メンテナンスコストと利便性の折り合いをつけた結果としてこのようなシステムになりましたが、現在のところうまく機能していると思います。

この他にも、機材係、図書係、アプリケーション係、メディア係、倉庫係、製品管理係…など沢山の係があり、若手の社員がそれぞれ担当して運営をしています。100名近い大所帯の部署なので、みんなの会社での仕事がスムーズにいくよう、ゲーム制作以外でも色々な役割がでてくるんですよ。

今後も「なんでこうなってないの?」という部分を改善していくことで、職場環境の向上に少しでも貢献していければと考えています。

・ゲーム分析

それ以外では、有志メンバーで具体的なゲームタイトルの分析をメインに勉強会をしています。

ちゃんと分析してみるとよくわかるのですが、例えば「○○社のゲームは、インターフェースが良くできている」とか、「海外ディベロッパーのゲームデザインのクオリティがあがってきている」など、他社がやっていることをきちんと把握して、現在のゲームユーザーの嗜好を把握した上で、ゲームづくりに生かさなければ、生き残れなくなってくる。

自分の中にシッカリと固めて業務として成果が出るのはまだまだ先かもしれませんが、これからも地道に活動を続けていきたいと思っています。

開発部署内でも、みなさん色々な役割を担っているのですね。
では、今までセガで働いてきて、何か感じたことがありましたら教えて下さい!

私はセガという会社が持っている「挑戦するスピリッツ」自体はとても素晴らしいものだと思っています。

ですが、挑戦をするということはリスクを常に抱えているということです。何かいいアイデアを思いついたとしても、全くのゼロから作るのでは予算がものすごくかかってしまいますし、様々な試行錯誤が必要になりますよね。セガのゲームは他と違うことをやろうとする点では非常に面白いのですが、同時にリスキーにならざるを得ないところがある。

こういったリスクを最小限に抑えるためにも、ゲーム開発のノウハウや技術、環境をしっかりと蓄積していくことが大切ってくると思います。もはや、基礎の継続的な積み重ねの上にしか(※1)イノベーションは成り立たないですからね。

 

だからこそ、ソニックというセガを支えるタイトルを大切に育てていくべきだし、フラッグシップと呼べるようなものにまで高めていく必要がある。そしていつか、ソニックの制作でつちかったノウハウや環境を活かして、何か新しいこと、面白いこと、ワクワクすることを生み出していければと考えています。

(※1)イノベーション
技術革新。新製品の開発、新生産方式の導入などによって、経済発展や景気循環がもたらされるとする概念。

おたのしみ