「クリエイターズ インタビュー」 第22回目は、
『ソニックライダーズ シューティングスターストーリー』でアートディレクターを担当した森屋 英明(もりや ひであき)を紹介!
プロフィール:
森屋 英明(もりや ひであき)
セガ/第一GE研究開発部/デザインセクション
『ソニックアドベンチャー』シリーズ、『PSO』シリーズ背景担当
『ジャイアントエッグ』デザインリーダー担当
『ソニックライダーズ』アートディクター担当
『ソニックライダーズ シューティングスターストーリー』アートディクター担当
今回は、2008年1月17日に発売しました『ソニックライダーズ シューティングスターストーリー』アートディレクターの森屋さんにお話しを伺いたいと思います。
まず、森屋さんのお仕事内容についてご説明いただけますでしょうか?
ソニックライダーズは今回で2作目になりますが、前作から関わっていましてデザイン周り全てを見ています。
見ているといっても、ただぼ~っと見ている訳ではありませんよ(笑)。
具体的には、各担当デザイナーが作成して上げてくるものに対して善し悪しを決めて、良い物はさらに良くなるアイデアは無いか考え、悪ければ何が悪くてどう直していくのかという内容を担当デザイナーに伝えます。
伝えると言っても絵的なことだと言葉や文字では伝えられないニュアンスはたくさんありますので、その場合はイメージに近い写真を捜して見せたり、イラストを描いてみたりして、最終的なイメージを分かりやすくなるようにあの手この手を使います。
時間が無いときや人手が足りないときは直接作業をすることもあります。
前作の『ソニックライダーズ』を経てからの今作。今回の『ソニックライダーズ シューティングスターストーリー』では、森屋さん的にこだわったのはどんなところでしょうか?
まず、前作の『ソニックライダーズ』では本来走るキャラクター「ソニック」を乗り物に乗せてレースをする、というソニックの基本とは少し違ったアプローチから、まずどう言った乗り物がよいのか?というところを考えていくことに時間を使いました。
そこからステージとなる世界観、とストーリーなど全てをまとめて一番合ったものを決めていきました。
そういった点は前作で苦労して出来上がった部分も多いですが、今作では基本的な世界観があるものからの進化系なので、そこからイメージを膨らませるための時間を多く使うことができましたね。
今回はストーリーが密接に関わる内容で、その中でCGムービーと実機によるイベントシーンは重要なパートになります。
前作での経験もありますが、さらにストーリーを際出せるためのビジュアルに気をつけました。
キャラクター一つ一つの動きから、エフェクトやライティングなど、細部までこだわって何度も何度もやり直しをして、雰囲気を作ることに特に力を入れました。
アートディレクター的に、今作のアピールポイントなどありましたらお聞かせ下さい!
アピールポイントは色々とありますが、まず私としては各コースのグラフィックを見てもらいたいですね!
前作には無い、“上下に広がるトリッキーな地形”を豪快かつ緻密な造形に再現できていると思います。
普通に地面を走るだけでなく、“壁もコースになっている”点は他のレースゲームでは味わえない物になっています!
グラフィック面では、ハードも変わり更なるレベルを要求され、新しい遊びが入りコース形状も複雑になりました。テクスチャーの描き込みは前作より格段にアップしていますし、よりリアルなシチュエーションを楽しむことができると思います。
プレイ中にはあまり景色を見ている暇は無いかもしれませんが、友達がプレイしている時などちょっと気をつけて見てみてください。
キャラクターの生き生きとしたアクションは健在ですし、新規のキャラクターも参戦していますので、きっとこの中にみなさんの気に入るキャラクターが見つかるはず!
遊びも、グラフィックも、さらにパワーアップした『ソニックライダーズ シューティングスターストーリー』を是非堪能してみてください!
今回のプロジェクトを進める上で、何が一番大変でしたか?どんなところで苦労されましたでしょうか?
毎回苦労は尽きないもので、もう、忘れたいこともありますよ…とか言ってみたり(笑)。
冗談はさておき、ゲームの世界では普段体験できないことや想像の世界を作り上げなければならないので、自分の頭でメージしていく必要があります。そのイメージを現場に伝えて共有していくのは本当に難しいことでした。
今回のコースは特殊な構造なので、その中でより自然に風景に馴染ませるためのコース作りに苦労しました。