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クリエイターズ インタビュー

026:大橋 修

ドイツ「Games Convention 2007」Wiiカテゴリーで“大賞”を受賞

海外で大きな賞を受賞したとお伺いしましたが?

はい。ドイツで行われた欧州最大級のゲーム見本市、「Games Convention 2007」(ゲームズ・コンベンション2007)」で、ありがたいことにWiiカテゴリーで“大賞”を受賞しました。

ノミネートには『マリオギャラクシー』が入っていたので、正直、「賞をもらうのは難しいなぁ、まぁノミネートされただけでも凄いじゃない!」と思ってました。で、結果を聞いたら『マリオギャラクシー』を抑えての受賞だったので、非常に嬉しく、光栄に思っています。

しかし、私はドイツの会場にいたわけではなく、その頃はWii版の開発末期で昼夜なく開発現場でスタッフと共にスケジュールと戦っておりました…。

もちろん、受賞を知ったのも日本時間の深夜に会社のデスクで仕事中でした(涙)。ですので、喜びも一瞬、すぐに忘れて一刻も早くマスターアップにこぎつける為の対策やら作業やらを行っておりました。

今思えば、ドイツの会場でビールを飲んでソーセージ食って受賞の喜びのコメントとか述べてみたかったですよ(笑)。

お決まりの質問で失礼します!
ソニックシリーズの中で、一番好きなキャラクターは誰ですか?その理由も教えて下さい。

やっぱりソニックですね。
クールでありながら、泳げないという弱点もあり、格好つけているけど少し隙があるヒーローらしいヒーローなところですかね。

そして、世界での知名度はすごいですよ。
海外に行ってセガの社員で「ソニックを作ってます」というと、空港の税関の人からして対応が変わるときがありますし。特に海外ではソニックにはお世話になってます。

大橋さんにとってソニックとは?

私がセガに入社したときに、最初に開発に携わったタイトルが当時アメリカで開発されていた『ソニック・ザ・ヘッジホッグ 3』(以下『ソニック3』)なんです。

ですので、私に開発のいろはを教えてくれたのは当時のソニックチームですし、初めてスタッフロールに載ったのも『ソニック3』でした。なので、思い出がたくさんあります。

当時も開発末期はすさまじいスケジュールでして、夢の中でソニックのキャラクターのデータ容量の調整が何度やっても上手くいかず、調整を失敗する夢を見てベッドから飛び起きたことがありました。仕事の夢を見たのはこのときが初めてでしたね。まぁ、その後ゲーム開発を続けていると何度も嫌な夢を見ましたが…(笑)。

しかも『ソニック3』はアメリカでの開発でしたので、当時の部長に

「大橋君、来週からアメリカ行ってソニック手伝ってきて。ところでパスポート持ってる?」

と聞かれたときは、心の中で「この部長は何言ってんだ?」と新入社員ながら思いましたね(笑)。

通常、出張ならともかく、アメリカへ数ヶ月間滞在させる場合はもう少し猶予を与えるでしょ?しかも、当時まだ新入社員で、たまたま卒業旅行でパスポートを作っていたので大丈夫でしたけど、パスポートを持ってなかったら行けないわけですし。

結局、そうは言ってもきっちり7日後には成田から飛び立ちました(笑)。飛行機のチケットさえ取れれば5日後くらいに行かされるところでしたよ(笑)。

会社には、この辺の手際の良さを私にアメリカ行きを伝える段階で発揮して欲しかったですね(笑)。

急に日本からいなくなると、消息不明な人になってしまう恐れがあるので、友人に順番に電話連絡。当時はまだ携帯電話、ましてやメールなんて使ってないですし、連絡手段といえば基本は固定電話の時代ですからね。その後、1週間で数々の壮行会と称した飲み会を行って出発しました。

あ!このインタビューで思い出しましたよ。
アメリカへ行く連絡をしようと思って、当時付き合っていた彼女に電話したら、こちらが話す前に思いがけず彼女から「別れたいんだけど」って切り出されて。翌週にはもうアメリカでしたから、結局その電話1本でお別れと相成りました。

いや、だからってソニックに恨みはないんですよ?(笑)。

そんなことがあった割には、以降十数年ソニックに関わっていなかったので、今回このソニック作品に関わることになるとは思ってもいませんでした。ましてや、マリオに関わるなんてセガに入ってから想像もしたことなかったですしね。

色々大変でしたが、やりがいがあって、とてもいい経験でした!

興味深いお話をたくさん、ありがとうございました!
最後に、「ソニック チャンネル」をご覧になっているみなさんに一言お願いできますでしょうか?

いつもソニックチャンネルをご覧いただきありがとうございます。

ついに北京オリンピックが8月に開幕になります。

「頑張れ日本!」の盛り上がった気分でこのゲームで世界記録に挑んでいただければと思います!


おたのしみ