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SEGA-SAMMY GROUP

クリエーターズ インタビュー

019:Michele Dix

ソニックはゲームの文化財

ヨーロッパのソニックファンの方は、かなり熱い方が多いとお聞きします。何かご紹介いただけるエピソード等あれば教えていただけますか?

はい、これは本当ですね。欧州全体を見てもそのファンサイトの多さと、有名サイトへのアクセス数を見ればソニックの人気は一目瞭然です。

私達はソニックファンの方々を“ソニック コミュニティー”と呼ばせていただいています。そして、必要に応じて彼らから出来るだけ多くのサポートを得ようとしています。

彼らがどれだけ熱いかについては様々なエピソードがあるんですよ。最近では、ある有名なファンサイトのメンバーが世界中からソニックについて1日中熱く語り合うべくロンドンに集結しました。中にはこのイベントに参加するために、オーストラリアから遥々ロンドンまでやって来たファンもいたようです。

SOJ(セガ オブ ジャパン) 、SOA(セガ オブ アメリカ)、SOE(セガ オブ ヨーロッパ)、それぞれの地域によって販売の仕方も変わってくると思いますが、売り方などに関して、どのような違いがあるのでしょうか? ヨーロッパの市場的事情なども教えていただけますか?

おっしゃる通り、私達は消費者が誰であるか、またどのようなゲームであるかに応じて様々な戦略を練ります。パッケージについては世界で統一するようにしていますが、マーケティング活動という切り口では全く違うことをします。

SOEとSOJ、SOAの大きな違いは、やはり欧州は様々な国や文化から成り立っているということにつきますね。それぞれに持っているテイストが異なりますので、1つの国について考えるよりもはるかに課題は多いように感じます。

コンソールやハードウェアの売り上げがゲーム自体の売り上げにも大きく影響してきます。例えば、ドイツはPCがとても良い市場で、スペインではPS2とNDSが多く買われています。このような違いは各地域において見られますね。

欧州では、北米や日本よりも前にマーケティング活動について検討しなければなりません。これはメディアだけでなく、消費者を充分にひきつけるのに長い期間が必要だからです。

また、色々な素材を各言語に対応させるために翻訳や調整を行う必要もあります。こう言うと簡単ですが、様々な言語があるのでとても時間のかかる作業なのです。これは北米や日本では行わない作業なので、そこもまた違いの1つですね。

プロジェクトを進める上で、何が一番大変でしたか?どんなところで苦労されましたでしょうか?

グローバルなイメージのある商品のマーケティングを行うのには色々なチャレンジがあります。

一番大きいのは、各地の市場が求める基準やテイストに対応することです。その中でも、パッケージのデザインに3極(SOJ,SOA,SOE)で合意をすることが苦労したことの1つですね。キャラクターやアートワーク、レイアウトの1つをとっても、それぞれに様々な意見が出されます。でも、それが合意されてからは、他の素材については特に問題なくスムーズに進んだ印象がありますね。

この仕事をしていて良かったと思うときはどんなときですか?どんなときが楽しいですか?

うーん!そうですね、今の仕事をしていて、色々な意味で良かったと思っています。
例えば、自分が手掛けたマーケティングキャンペーンの後半に差し掛かると、店頭用の素材が一旦会社に届きます。それが各地域のお店に並び、色々なユーザー様が目にすることを考えると、いつもとても充実した気持ちになります。

また、クリエイティブ面で影響を受けたり、ソニックブランドの知識をどんどん増やしていけるのはその後のプロジェクトの活動へのインスピレーションにも繋がったりします。
そして、色々な国や地域の人と一緒に仕事が出来るのはとても楽しいことでもあります。

ゲームが完成し、いよいよ発売を控えるまでとなった時にはもう少しでユーザー様のお手元に届くんだ、と興奮することもありますね!

ユーザー様からゲームを楽しみにしているといった内容のお手紙や、ゲームの感想などを頂くこともあるのですが、それもまた私にとってはとっても嬉しいことだったりします!

仕事をしていく上で、何を一番大事に考えてらっしゃいますか?ご自分で常に意識していることなどありますか?

私がどんなプロジェクトやゲームに携わっていたとしても、基準は常に高く持つように意識しています。
それは、私の提供する情報や素材は、同じSEGAの人間であっても、小売店の方でもあっても、ユーザー様でもあっても、全て私という一人の人間から配信されるからです。

また、特に私の立場としてSOAやSOJや欧州各地の窓口になることから、彼らの求めているものを理解しながらも、何よりも欧州のユーザー様が何を求めているかが見えていないといけないのです。

ソニックは欧州でも特に高い人気を誇っています。また、ゲームの文化財とも思っているので、そんなソニックがゲームの中で活躍をしているようにマーケティング活動を通じて可能な限り更にソニックをサポートしていかなければならないと思っています。


おたのしみ